エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.499
2016.07.22 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ミドルタワーPCケースでよく用いられる、フロントパネル裏手のHDDケージは見当たらない。「303」のドライブベイはどうなっているのだろう。
合計2箇所に配置されたドライブベイは、いずれもマザーボードトレイ面に直接ストレージを固定。つまり「ドライブ搭載スペース」とした方が分かりやすい。
まずひとつ目は、フロントパネル裏手。縦に2つ、In Winロゴ入りのトレイがハンドスクリュー1本で固定されており、ここに2.5インチSSDがマウントできる。また下段のトレイは、上段トレイ左側のスペースに移動が可能。ボトム部にラジエターなどを設置した場合、干渉を回避する事ができる。
片側ハンドスクリュー1本で固定された、2.5インチSSD専用トレイ。ストレージの固定には底面4つの穴にネジ留めする。なおSSDのコネクタはハンドスクリューの反対側に向けるように固定し、直下のスルーホールが利用できる |
ふたつ目は、マザーボードトレイ背面の中央からフロント寄りのエリアに、2.5インチSSDおよび3.5インチHDDが搭載できる2台分のトレイが用意されている。ひとつ目同様、ハンドスクリュー1本で固定されたトレイタイプだが、こちらは3.5インチまで対応するだけに、トレイの面積が広い。
2.5 / 3.5インチ共用のトレイは、横置きマウントレイアウトを採用。ひとつ目のトレイ同様、コネクタはハンドスクリューの反対側に向けて、底面ネジ留めによりマウントする |
電源ユニットのマウントスペースは、上段背面に確保。ハニカム状のパーティション、その右エリアを利用する。マウント方向は一般的なミドルタワーPCケースとは異なる縦置き固定。有効搭載スペースは公称で奥行き最大200mmまでとされる。なお底面中央付近にはスルーホールを用意。電源ユニットから伸びるケーブル類はここを通り、マザーボードエリアへ抜ける。ちなみに背面からスルーホールまでの距離は実測で約240mmだった。
ハニカム状パーティション右エリアの電源ユニットのマウントスペース。内部容積が十分確保されたミドルタワーPCケースでの縦置きは珍しい |
拡張スロットは全7段。電源ユニットがトップマウントスタイルだけに、底面に近い位置から拡張スロットは積み重なる。なお拡張スロット金具はブラック塗装で、通気性を考慮したパンチング加工が施されていた。
通気孔仕様の拡張スロットは7段重ね。各々はシャーシから独立し、一般的なインチネジで固定されている |
独特な内部設計が楽しい「303」は、実にIn WinらしいこだわりのミドルタワーPCケースだ。ただし敢えて弱点を見つけるとすれば、ケーブルマネジメントかもしれない。魅せるPC構築には重要な”裏配線”だが、これを容易にするマザーボードトレイのスルーホールが比較的少ない。ただし搭載できるストレージが合計4台で、うち2台は背面にマウントされることから、合理的な設計と捉えるべきだろう。
このクラスのミドルタワーPCケースとしては、マザーボードトレイに裏配線用のスルーホールは明らかに少ない | |
マザーボードトレイ背面の裏配線スペースは、実測で約23mm程度。これだけあれば、最も太いATXメインケーブルも収める事ができるだろう | 電源ユニットマントペースのフロアにはスルーホールを装備。ケーブルマネジメントには重要なカットになるはずだ |