エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.502
2016.07.28 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次に水冷ユニットを搭載してみよう。ラジエター搭載スペースはフロント部に最大240mmサイズ、リア部に120mmサイズの2ヵ所。トップ部はスペース的な制約があるため、装着できない事を覚えておこう。今回はフロントパネル裏部に240mmサイズラジエターを搭載してみたい。
まず搭載には事前準備が必要。フロントパネルをシャーシから引き剥がし、標準装備の120mm口径ファンを外す。次にケージタイプのシャドウベイユニット上下2段も取り外してしまおう。これでフロントパネルの裏面があらわになり、240mmサイズラジエターと120mm口径ファン2基がマウントできる。
ケージタイプのシャドウベイユニットを外し、240mmサイズラジエターをマウント。チューブはCPUに距離が近い上向きで固定する |
シャドウベイユニットの解説セッションで、台座には2つの溝があることを知った。目的はフロントパネル裏面に空きスペースを設け、ラジエターの搭載を可能にする。しかし実際に手持ちのラジエターで搭載を試みたところ、台座とラジエターの末端が物理的に干渉して固定ができない。これを回避するには、プラスチック製台座を取り外さなければならなかった。
なお搭載テストに用意したラジエターの厚さは30mm。ラジエタークリアランスは、最大で公称58mmとされ、25mm厚冷却ファンとの組み合わせで55mm厚は、十分許容範囲内に収められている |
2段のシャドウベイユニットは左方向に移動させ、各々4個のネジでマザーボードトレイ背面に固定。台座の無い状態だが、ラジエターとシャドウベイユニットが共存できた。もしかすると搭載するラジエターの個体差に原因があるのかもしれない。ただし干渉の可能性がある事は頭に入れておこう。
2段ある5.25インチオープンベイ上段に、光学ドライブを搭載してみた。フロントパネル面に固定されているベゼルは、PCケース内部から取り外しは可能。固定されているツメが外しにくい場合は、無理せずフロントパネルを引き剥がして作業しよう。ツールフリー機構が装備されているため、固定は簡単。フロント側から光学ドライブをスルスルとスライドさせ、フロントパネルにツラが合うネジ穴に、左側面のプラスチック製クリップでロックすればいい。片側だけで気になるなら、右側面の穴からミリネジで補強できる。
ツールフリー機構を利用すれば、簡単にドライブが固定できる。なおプラスチック製クリップを使わず、左右側面をネジ留めする方法も有効 |
セッションの最後に、シャドウベイユニットのストレージ固定方法を確認しておこう。プラスチック製専用トレイの両側面には、固定用のピンが出ている。これを3.5インチHDDのネジ穴に合わせてマウントは完了。2.5インチSSDは、底面の穴を利用し、ミリネジでネジ留めする。
若干の違いはあるものの、ほとんどのPCケースで採用される固定方法だけに、マニュアルを確認するまでもなく作業できるはずだ |
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