エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.503
2016.08.02 更新
文:GDM編集部 池西 樹
プリセットによるCore i7-6950Xのオーバークロックに成功したところで、その効果を確認するため「CINEBENCH R15」のスコアを計測しておこう。
CINEBENCH R15(cb) |
シングルコアテストでは、TurboBoost機能により定格時でも4.00GHzまでクロックが上がるため、3.60GHzや3.80GHzのプリセットではスコアが逆転。またマルチコアテストでも定格時はほぼ3.50GHzで動作するため、3.60GHzのプリセットはほとんど効果が見られない。一方、3.80GHzでは約5%、4.00GHzでは約12%パフォーマンスが向上し、重量級のマルチスレッド対応アプリケーションでは処理時間に大きな差が出てくることだろう。
最後にオーバークロックによる消費電力の影響について確認しておこう。計測は「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
プリセットによるオーバークロックを行った場合でも省電力機能は有効なため、アイドル時は約6W増とほとんど影響なし。一方、高負荷時は、元々消費電力の大きいCPUであること、さらにコア電圧が盛られていることもあり、4.00GHzでは57.1W増と大幅に増加。Broadwell-Eでオーバークロックをする場合には、CPUクーラーだけでなく、マザーボードの電源回路も非常に重要な要素になる。
“原点回帰”を掲げ、ASRockが自信を持って世に送り出した「X99 Taichi」。クラス最高峰の電源回路や、独自基準「Super Alloy」に裏打ちされた高品質設計など、信頼性・耐久性は申し分なし。さらに2スロットの「Ultra M.2」をはじめとした充実のインターフェイスは、コストパフォーマンスモデルながら他社のハイエンドと比較してもなんら遜色なく、あらゆる用途に対応する“オールラウンダー”の名にふさわしい仕上がりだ。
LGA2011v3プラットフォームはCPUだけでなく、マザーボードやメモリにもコストがかかることから、これまで導入をためらっていたという人も多いことだろう。そんな人にはまさに福音となる一枚。また初期のIntel X99 Expressマザーボードで、機能やインターフェイスに不足を感じているなら、ぜひアップグレードを検討して欲しい。かならずや価格以上の満足度が得られることだろう。