エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.507
2016.08.15 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
さて続いては、ベンチマーク中における「GTX 1060 G1 Gaming」の冷却パフォーマンスを確認してみよう。初期設定である“AUTO”のまま使用していたところ、低負荷時はファンを停止、高負荷時でにおいても極めて静粛に動作していた。果たして数値上はどのような挙動を見せてくれるのか、「3DMark」の「Fire Strike“Ultra”」プリセットを10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定。「GPU-Z」を使用してファン回転数とGPU温度の計測を行った。
ファン回転数計測(rpm) | |
GPU温度計測(℃) |
ファン回転数については、低負荷動作のファンレス状態ではもちろん回転数ゼロ。それでもGPU温度は40℃台に収まっている。高負荷時には動作クロックに応じて回転数が上がるものの、いずれも70℃前後に達した時点でそれ以上ファンを回転させない仕様。静音と冷却のバランスを考えた、スマートな動作と言えるだろう。
それでは最後に、「GTX 1060 G1 Gaming」の動作中における消費電力をチェックして検証を締めくくろう。テストにあたっては、先ほど同様に「Fire Strike“Ultra”」を10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定。ワットチェッカーを使用して消費電力を計測している。
消費電力計測(W) |
動作クロックに違いがありながら、消費電力はほぼ横並びの状態となった。クロック変動が100MHzほどとおとなしめな点せいもあるものの、最大でも200W程度に収まっている点はさすが。基本的に公称のTDPもGTX 960同等のため、旧ミドルレンジからの乗り換えでも消費電力を意識する必要はなさそうだ。
GTX 980匹敵の看板を掲げて登場したGTX 1060は、なるほど相応の優れたパフォーマンスを見せてくれた。前世代のハイエンドに並ぶ性能という謳い文句は分かりやすく、カジュアルゲーマーにとっても魅力的なキーワードだ。さすがVR対応を謳う世代だけあって、ミドルレンジの性能水準も相当なレベルに達している。ミドルというには多少高めな価格帯がネックではあるものの、性能面では期待を裏切らないGPUと言えそうだ。
前世代のハイエンドGPUに並ぶパフォーマンスが期待できるGTX 1060。その実力が活きる優れた冷却機構に強靭な信頼性、「GTX 1060 G1 Gaming」は、そうした高い付加価値が得られる魅力的な1枚だ |
もっとも「Founder’s Edition」が存在せず、メーカー各社のオリジナルモデルがしのぎを削るGTX 1060は、モデル選択もなかなかに難しい。そうした中で、スマートかつ効率的な冷却性能を誇る「WINDFORCE 2X」を搭載した「GTX 1060 G1 Gaming」は、外れなしな鉄板モデルの位置に最も近い1枚だ。高耐久仕様や選別チップの採用など、さらなるチューニングを楽しむ余地もアリ。高付加価値のGTX 1060グラフィックスカードとして、価格以上の満足感が得られるハズだ。