• 編集部
  それでも、全盛期に比べるとパーツショップはだいぶ減りました。最近の自作市場についてどうお考えでしょうか。
• Alvin氏
  CPUやグラフィックスカードなど、PCを買い替えることで劇的な性能向上がなくなったため、ここ数年は外観やデザインといったスタイル重視の傾向になってきたと思います。かつて自作をしていたようなユーザーが、もう一度組もうと思わせるような、魅力的なデザインのPCケースやパーツが提供できれば、まだまだ市場は成長すると考えています。
• 編集部
  Thermaltakeが最も好調な地域はどこでしょうか。
• Alvin氏
  ヨーロッパや中国も好調ですが、一番はアメリカです。特にPCケースが好調です。理由は、ラインナップが豊富なこと。また、他の地域では敬遠されるような「Core X9」や「Core W100/P100」など超大型PCケースを取り揃えている事も要因だと思います。

1999年に台湾で誕生したThermaltakeはPC関連の総合メーカー。サブブランド「Tt eSPORTS」では、マウスやキーボード、ヘッドセットといったゲーミングデバイスも幅広く取り扱っている

「Pacific」シリーズについて聞いてみよう

• 編集部
  水冷パーツについてお伺いします。Thermaltakeの水冷といえば、もともと一体型水冷キット「Bigwater」シリーズや「Water 2.0 / 3.0」シリーズなど、オールインワン水冷がメインでした。DIY水冷に参入したきっかけを教えてください。
• Alvin氏
  「Bigwater」懐かしいですね（笑）。もともと水冷には積極的に取り組んでおり、社内では8年前にもDIY水冷の市場に参入する計画があったそうです。ところが、その頃の自作市場といえば、空冷CPUクーラーが非常に好調だった。マーケティング的な判断として、参入を見送ったという経緯がありました。

5.25インチベイに内蔵する、Thermaltakeのオールインワン水冷キット「Bigwater」シリーズ

• 編集部
  「COMPUTEX TAIPEI 2014」には「Pacific」ブランドを立ち上げ、DIY水冷市場に参入しました。
• Alvin氏
  ここ数年でPCの性能は成熟されてきました。ユーザーは今まで性能向上のためにコストをかけていましたが、今後は外観デザインといった見た目にもコストを使うようになる。特にハイエンドユーザーになるほどその傾向は顕著で、すでにサイドパネルが透明のPCケースやRGB機能で派手に光るパーツ、ファンは数多く販売されています。そこにはDIY水冷という選択肢もそこに加わってくるはずだと考えています。
• 編集部
  DIY水冷で組んだPCはカッコいいですよね。
• Alvin氏
  その通り。SNSの普及で自分のPCを人に「魅せたい」と思うユーザーが増えました。また世界最大級のゲームイベント「DreamHack」のように、ゲームユーザーの中にはLANパーティー等のイベントで持ち込んだPCを自慢したいという人もいるでしょう。

オープンフレームタイプの「Core P5」は、「魅せるPCケース」としてDIY水冷との相性が抜群にいい