エルミタ的リサーチ Vol.16
2016.08.18 更新
文:GDM編集部 Tawashi
現在使用中の電源ユニットメーカー |
一番人気はSeasonic。国内市場では高品質というイメージが浸透し、コアなショップスタッフの多くが愛用している。採用部品の品質はもちろん、搭載する山洋電気製冷却ファンを評価する声も多く聞かれた。また、PLATINUM認証を取得したモデルを選んでいる人が多いのもSeasonicユーザーの特徴だ。
次点のSilverStoneは、一時期電源市場を席巻した”価格重視路線”の影響が大きい。メーカーと国内代理店による戦略の一環だが、それも品質を伴ってこそ。今回集計の対象ではないが、SFXなど小型サイズの電源ユニットも人気で、サブマシン用に愛用する人も多い。
続くCORSAIR、ENERMAX、Antecは、海外でも人気のブランド。いずれも電源ユニット取り扱いの歴史が長く、2代目、3代目と続けて同じメーカーの製品を使い続けている人が多いようだ。
80PLUS認証 |
引き続き80PLUS認証の内訳を確認しておこう。一番人気は80PLUS GOLD。続けて80PLUS PLATINUMのモデルが使用されているあたりは、いかにもショップスタッフらしいチョイスだ。
80PLUS認証が”品質保証の基準ではない”事はご存知の通りだが、電源ユニットの性能を推し量る目安として、製品選びの手助けとなっているのは事実。高効率を謳うハイエンド電源ユニットは、採用部材にこだわった作りの製品が多く、結果的に「良い電源」とされている点は否めない。「中身の品質が伴わないGOLD電源も存在する」(複数スタッフ談)そうなので、目利きに自信がないという人は、迷わずショップスタッフに相談しよう。
ワット数 |
最後はワット数。電源ユニット出力の目安とされるのが「フルロード時の消費電力×2倍」が必要な電源容量。将来の拡張性を見据えつつ、余裕のある出力を備えた製品を選択したい。
さて内訳を確認すると、1,000W以上を使う人が16名。これはマルチGPU環境の人がほとんど。一番多かったのは750W以上のユーザーだが、構成を聞くと「オーバースペック気味」という声が多数あった。これには理由があり、常時使用の環境は負荷率50%以下を目安としているのが主な理由。普段から負荷率を下げることで、ファンの回転数を抑えた静音仕様で運用できるのはもちろん、発熱によるコンデンサ寿命も変わってくるからだという。マージンを考えての電源選びというワケだ。
パフォーマンスの数値化や体感がしにくく、単なるスペックだけでは製品の善し悪しが分かりにくい。それでいて、トラブル発生時には周辺パーツを巻き込んで、破壊してしまう可能性もあることから、電源ユニットへの投資は惜しんではいけない。「価格を気にせず、品質のいい電源を長く使う」、これぞ”熟練スタッフ達の電源選び”と言えそうだ。