「DS 230」内部構造チェック

「DS 230」の外回りを点検したところで、PCケースの善し悪しを決定付ける内部構造をすみずみチェックしていこう。久し振りに実機に触れるAerocool社製PCケース。大いに期待しつつ、サイドパネルを外してみよう。

着脱可能な外装パネル全てを取り外した状態

「DS 230」の冷却ファンレイアウト

内部構造チェックの手始めに、冷却ファンレイアウトを点検する。フロントパネルデザインと、標準では塞がれたトップパネルの様子から、静音重視のPCケースである事は間違い無い。それだけに、相反する”良好なエアフロー”は、構築しにくいはずだ。「DS 230」では、両者どのように折り合いを付けているのだろうか。

フロントファン増設スペース

完全に密閉されたかのようなフロントパネル。実際には角度がつけられた左右縦のラインには、スリットが設けられている。ここから新鮮な外気を取り入れようというワケだ。防塵フィルタを内部に装備し、ホコリの侵入も未然にカット。フロントパネル裏側のシャーシ面には、2基の140mm口径ファンまたは、3基の120mm口径ファンが搭載できるようになっている。

こちらがシャーシ面。フロントパネルデザインとは裏腹に、フロントパネルほぼ全ての面積をカバーするほどの冷却ファン増設スペースが用意されていた。なお出荷時は標準で、120mm口径ファン1基が搭載されている
	フロントファン増設スペースには、360mmまたは280mmサイズのラジエターも搭載可能。シャーシ面には冷却ファン搭載面全てをカバーする着脱式の防塵フィルターが備え付けられていた

トップ面のファン増設スペース

静音性を高める「サイレントカバー」を外すと、トップ面にも冷却ファンの増設スペースがあった。通気孔が設けられたパネル面には、120mmまたは140mm口径ファンがそれぞれ2基まで搭載可能。ラジエターの搭載も可能だが、これについては組み込みセッションで実際に試してみる事にしよう。

内部からの音漏れを防止する「サイレントカバー」を外すと、トップ面は開放的に。冷却ファンを増設せず、自然排気として利用することもできる

120mm口径ファン標準装備のリアファン

PCケース内部の熱を常時排出するリアファン。静音志向のPCケースでも、”リアファンだけは標準装備”というパターンが多い。つまりそれだけ重要なポジションと役割が課せられている事が分かる。「DS 230」も例外ではなく、120mm口径（25mm厚）ファンが標準で装備されていた。なおコネクタはPWM対応の4pinで、回転数は600～1,800rpm±10％、風量は53.4CFM、騒音値は34.1dBA、静圧は1.48mm-H2Oとされる。

120mm口径で9枚羽仕様の標準搭載ファン。もちろん120mmサイズラジエターのマウントにも対応。ネジ穴はスリットタイプで、上下25mmスライドが可能。ラジエター搭載位置の微調節ができる仕組み