エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.508
2016.08.22 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここまでAerocool「DS 230」を詳細にチェックした。従来型にとらわれない独自の設計により、左サイドパネル側のメインエリアは遮るものがなく、内部容積は同類のミドルタワーPCケースに比べかなり広い印象だ。ここからは実際に構成パーツを組み込み、手順や周辺で気が付いた事などを詳しく解説していく。最適化された内部構造による構成パーツの恩恵は、果たしていかばかりか。
組み込みセッションの最初は、マザーボードを搭載してみる。テストに用意したのは305×244mmのATXフォームファクターだ。
装着済みのスタンドオフでは足りない箇所については、新たに付属品から必要な本数を用意。これにネジ留めを行う事で、マザーボードを収める事ができた。特に問題はないが、開口部が広い割に電源ユニットを覆うカバーの存在により、下方向は空きスペースがほぼない状態になる。
プラスチック製のカバーにより、上下方向のスペースはやや制限アリといったところ | |
上部トップパネルまでの空きスペースは実測で約25mm、右側フロントパネルまでの空きスペースは実測で約185mmだった。シャドウベイユニットがない分、フロントパネルまでの距離は十分に確保されている |
CPUクーラーの有効スペースは、高さ170mmまでと開示されている。疑い深く実際に計測してみると、額面通りのスペースが確保されていた。これだけの高さがあれば、サイドフロー型CPUクーラーの選択肢はかなり広くなるハズ。空冷高冷却ハイエンドPCの構築にも向く。
実測値も公称値通りの170mm。比較的幅の広いミドルタワーPCケースだけに、広くスペースが確保できている |
ボトム部に装備されるプラスチック製カバーの存在により、電源ユニットは通常の「左」ではなく、右サイドパネル側からのアプローチでマウントする。前セッションでも触れたように、電源ユニット用に割り当てられたスペースは奥行き180mmまで。特にモジュラー式の場合、コネクタが思わぬ”出っ張り”になり、表記上の奥行きよりもスペースが必要になる場合がある。ここは有効スペースの数字を目一杯使うのではなく、余裕をもったサイズの電源ユニットをチョイスしたい。
搭載テストに使用したのは、Aerocool「VP-550」。奥行き140mmのショートサイズで、120mm口径ファンを搭載。80PLUS BRONZE認証取得の12V 1系統の容量550Wモデルだ。なおケーブルは直結式 | |
搭載有効スペース公称180mmに、奥行き140mmの「VP-550」を搭載。空きスペースを計測すると、実測約85mmといったところ。計算が合わないのは、メーカーが予めマージンを取っている事を意味する。どうやら「DS 230」に限っては、公称値通りの長モノ電源ユニットでもマウントは可能と考えていいだろう |
拡張カードの有効スペースは、公称413mmまで。ここに奥行き298mmのグラフィックスカードを用意し、搭載を試みる。
「DS 230」は、フロントパネル裏側に従来あるべきシャドウベイユニットが無いため、PCケースの内部幅ほぼ全てを搭載スペースとして利用できる。とにかく広い空間だけに、現在流通するあらゆるハイエンド系グラフィックスカードがマウントできるだろう。ただしフロントにラジエターを搭載する場合、スペースを分け合う事になる点は頭に入れておきたい。
搭載完了後、空きスペースを計測すると残り約115mmだった。電源ユニット搭載スペースと違い、こちらは公称通りの数値に収まっている |
おさらいしておくと、ストレージの搭載スペースはフロントパネル裏右側の下部に、2.5 / 3.5インチ共用ベイを2段、マザーボードトレイ背面に2.5インチ専用マウンタが1つ、そしてフロントパネル裏左側に2.5インチ専用搭載スペースが2つ、合計5台分が用意されている。ここではそれぞれにドライブを搭載してみたい。