エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.509
2016.08.27 更新
文:GDM編集部 池西 樹
PowerColor「Red Devil Radeon RX 480 8GB GDDR5」 (型番:AXRX 480 8GBD5-3DH/OC) 市場想定売価税込33,800円前後(発売中) 製品情報(PowerColor) |
検証を始めるにあたり、まずはAMDの新GPU「Radeon RX 400」シリーズについて簡単に紹介しておこう。
型番から分かる通り、Radeon R9 300シリーズの後継にあたる製品で、コアアーキテクチャには第4世代Graphics Core Next(GCN)こと、Polarisアーキテクチャを採用。製造プロセスは従来の28nm HPから14nm FinFETへと大幅に微細化され、より低消費電力かつ高クロック動作できるのが特徴だ。
Radeon RX 480が採用する「Polaris 10」のブロックダイアグラム図。PolarisコアにはCompute Unitを縮小した「Polaris 11」も用意される |
そして、Radeon RX 400シリーズ最上位のアッパーミドル向けGPUが今回の主役「Radeon RX 480」。WQHD解像度(2,560×1,440ドット)までをメインターゲットにしたモデルで、Polarisアーキテクチャの上位コア「Polaris 10」を採用。主なスペックは、ストリームプロセッサ数2,304基、コアベースクロック1,120MHz、ブーストクロック1,266MHz、メモリクロック8,000MHz、メモリバス幅256bitで、GDDR5 4 / 8GBのビデオメモリを実装。性能は先代ハイエンドのRadeon R9 390相当としながら、消費電力は約5割強となる150Wに抑えられており、非常にバランスのいい製品に仕上げられている。
Radeon RX 480初のオリジナルモデルとして、8月のはじめより発売が開始された「Red Devil Radeon RX 480 8GB GDDR5」(型番:AXRX 480 8GBD5-3DH/OC)(以降「Red Devil Radeon RX 480」)。PowerColorのゲーミング向け「DEVIL」シリーズ(悪魔 / 誘惑者)に属する製品で、大型アルミニウム製ヒートシンクと80mmファン×3で構成される高冷却VGAクーラーを搭載。さらにGPUの温度が60℃未満の時にファンの回転を停止する、セミファンレス機能「Mute Fan Technology」を備える。
80mm口径ファンを3基搭載する大型のオリジナルクーラーを標準装備。その冷却性能には期待がかかる |
もちろん基板もオリジナル設計で、「Gold PowerKIT」と呼ばれる高品質コンポーネントで固められた6+1フェーズの電源回路を搭載。また補助電源コネクタもリファレンスの6pin×1から、150Wまで供給できる8pin×1へと強化。高負荷時でもPCI-Expressスロットやマザーボードに負担をかけることなく安定動作を可能にした。
オリジナル基板を採用する「Red Devil Radeon RX 480」。電源は高品質コンポーネントによるデジタル回路で、補助電源コネクタは8pin×1へと強化されている |
これら高い冷却性能と堅牢な電源回路により、コアブーストクロックは1,330MHz(リファレンス1,266MHz)へとオーバークロック済み。その他、メモリクロックは8,000MHz、メモリバス幅256bitで、GDDR5 8GBのビデオメモリを搭載する。
「DEVIL」シリーズのテーマカラー「黒」と「赤」を基調にしたパッケージ。基板裏面には独自機能の概要が記載されている |