エルミタ的一点突破 Vol.41
2016.09.02 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
ここからはCPUクーラーの本分である、冷却性能をチェックしていくことにしよう。プラットフォームには現在最も一般的なLGA1151をチョイス。CPUにはSkylake世代のフラッグシップモデルCore i7-6700Kを用意した。なおテスト環境は以下の通り。
CPUには元々発熱の多いSkylake最上位のCore i7-6700Kを使用 | メモリは動作クロック2,133MHzのDDR4、Crucial「CT2K4G4DFS8213」を使用 |
冷却ファン回転数の計測には「HWMonitor 1.29」を使用 |
今回は趣向を変え「白虎」本邦初披露の場となった「ツクモで真夏のCPUクーラー対決!?~OCで白黒はっきりしちゃいます!~」と同じレギュレーションで、Core i7-6700Kのオーバークロックに挑戦。イベント時とは異なり、冷却ファンの増設をしない標準構成で「CINEBENCH R15」と「Intel XTU」が完走するギリギリの条件を探し、そのパフォーマンスと温度をチェックしてみることにした。
マザーボードにあらかじめ登録されているプリセットをベースにチューニングを実施 | |
倍率46倍、BCLK101.07MHzの4.64GHzまではベンチマークが完走 | メモリクロックはイベントに合わせて2,133MHzを超えないように調整済み |
「CINEBENCH R15」のマルチコアは1,000cbをクリア | |
非常に負荷の高い「Intel XTU」も完走させることができた |
マザーボードのプリセットをベースにチューニングを進めたところ、「CINEBENCH R15」は4.7GHz(47倍×100MHz)のプリセットで問題なく動作。しかし、より負荷の高い「Intel XTU」では、各種電圧やメモリ対比、キャッシュクロックなどを調整しても完走できず倍率は46倍で諦めることにした。その後、BCLKを徐々に上げ最終調整したところ、46倍×101.07MHzの4.64GHzまでクロックを上げることができた。オーバークロックについてはCPUコアによるところも大きいが、92mmファン×1の小型モデルでここまでチューニングができれば上々の結果と言えるだろう。
「CINEBENCH R15」のスコア | |
「Intel XTU」のスコア | |
「Intel XTU」実行時の最高温度 | |
「Intel XTU」実行時の最高消費電力 |
スコアも「CINEBENCH R15」で約15%、「Intel XTU」でも約8%向上し、ベンチマーク実行中にサーマルスロットリングが発生することもなし。さすがに温度は定格から+19℃と大幅に増加しているが、消費電力が50W以上増えていることを考慮すれば致し方ない。ちなみに冷却ファンの回転数は2,323rpmまで上昇し、ほぼフル回転だった。