エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.511
2016.09.05 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
近頃の自作PCのトレンドとも言える「魅せるPC」。これに欠かせないのはLED内蔵パーツを効果的に使った発光ドレスアップだ。種類も豊富でライトユーザーでも手軽に導入する事ができる。そして中・上級者向けのDIY水冷は「魅せるPC」のいわば”花形”であり、単に組み込んだ状態とは大きく異なる外観は、誰もが魅力的に感じるだろう。
ここではDIY水冷では機能面と見栄えを大きく左右する、ラジエターの装着テストを行ってみたい。なお検証には120mm口径ファンを3基並べて搭載する360mmサイズラジエターを用意した。搭載可能な3箇所全てで装着を試みている。
「魅せるPC」構築には欠かせないDIY水冷の搭載例。LED発光色を合わせれば、PCの見栄えはガラリと変わる。左サイドパネルの強化ガラスを採用する「509」なら是非導入を検討したい |
強化ガラスとプラスチック製のフロントパネル、さらにシャーシ面に装着済みの防塵フィルタを取り外すと、冷却ファン増設用のネジ穴が複数確認できる。ここに360mmサイズラジエターが搭載できるワケだ。そもそもこのエリアはマザーボードトレイ面に2.5インチ(または120mm口径ファン)搭載用ブラケット3台分、左サイドパネル側に1台分のブラケットがある。しかしこれらと物理的な干渉はなく、両者共存が可能。ラジエター搭載スペースとしては、最も現実的な場所といえよう。
フロント強化ガラス裏にはスリットを設け、通気性は確保。ここではフロントからの外排気レイアウトでラジエターを搭載したが、もちろん内部に吹き付けるレイアウトでも問題はない |
次にマザーボードトレイ面、フロント寄りのスペースに搭載を試みた。ここには2.5インチSSD搭載用ブラケットが縦に3つ並び、おのおのに設けられた120mm口径ファン増設用ネジ穴を使用。360mmサイズラジエターが固定できる。エアフローは左右の両サイドパネル方向になる「509」ならではの設計で、右側面から排出するレイアウトになるだろう。
2.5インチSSD搭載用ブラケット3台分を使い、ラジエターをネジ留めする。貴重なシャドウベイを消費してしまう事を良しとするか否か。運用を考慮してレイアウトを決めたい |
最後はR.O.G.レッドに塗装された、インターナルファン増設スペースに、360mmサイズラジエターを搭載してみよう。ここは外部との隔たりがパネル1枚(正確には強化ガラスもアリ)となるフロントパネル裏からは約155mm内部寄りのポジションになる。気になるのは、ボトム面に固定された、ケージタイプのシャドウベイユニットの存在。360mmサイズラジエターの厚さは35.5mmで、シャドウベイユニットと物理的に干渉する事はなかった。ただしあまりに接近しているため、エアフローの妨げになる可能性は高い。ここは無難に240mmサイズラジエターに留めるか、悩ましいところだ。
メリットとしては、2.5インチSSD搭載用ブラケット計4台分が全て使用できること。フロントパネル面に冷却ファンだけを増設し、強力な内部正圧状態を作り出すという手もある |