エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.512
2016.09.09 更新
文:GDM編集部 池西 樹
さて、テストの最後はCore i7-6700とCeleron G3900Tによる高負荷テストを実施する。ベンチマークには「CINEBENCH R15」と「OCCT 4.4.2」の2種類を用意し、パフォーマンスの違いと高負荷時の挙動について確認していこう。
CINEBENCH R15(cb) |
まず「CINEBENCH R15」のスコアから確認していこう。マルチコアテストは、4コア / 8スレッドに対応するCore i7-6700が約4倍の差をつけて圧勝。一方、シングルコアテストでは約6割まで差を縮めており、なかなか健闘している。複数の同時処理にこだわらないならローエンドのCPUを、動画や高解像度のエンコードなどを頻繁に行うならハイエンドのCPUを選択してやればいいだろう。
「OCCT 4.4.2:CPU」実行時の消費電力(W) | |
「OCCT 4.4.2:CPU」実行時のCPU温度(℃) |
続いて「OCCT 4.4.2:CPU」による1時間の高負荷テストを敢行。ローエンドながら堅牢な電源回路を搭載する「H110 GRENADE」、高負荷時でも40W前半で推移するCeleron G3900Tはもちろん、約110Wまで消費電力が上がるCore i7-6700でも動作にまったく問題なし。また今回はCPUクーラーにCore i7-6700のリテールクーラーを使用しているが、Celeron G3900Tなら高負荷時でも40℃以下をキープしている点に注目。より冷却性能の高いサードパーティ製クーラーを組み合わせてやれば、極静音PCを構築することできるだろう。
MSIから新たに登場したエントリーゲーミングマザーボード「H110 GRENADE」。チップセットにIntel H110を採用しているため、M.2スロットの帯域幅が20Gbpsに制限される他、メモリスロットも2本まで、SATA3.0(6Gbps)も4ポートまでと、上位モデルとの違いは確実にある。しかし、標準的な使い方であれば、その差はいずれも限定的。特にM.2 SSDは現行の製品であれば影響を受けるのはシーケンシャル読込のみ。実際に運用でパフォーマンスの違いを体感するシーンはほとんどないだろう。
最新機能を手軽に導入できるエントリーマザーボード「H110 GRENADE」。MSIが得意とする堅牢設計により、かなりハイエンドよりのPCも無理なく構築できる |
さらに6フェーズの堅牢な電源回路により、上位CPUを搭載した場合でも動作に不安はなし。さらに「Steel Armor」スロットのおかげで、重量級のグラフィックスカードも安全に搭載でき、かなりハイエンドなゲーミングPCを無理なく実現できるのも嬉しいところ。DDR4メモリやM.2 SSD、USB Type-C機器など、Skylakeで主流となった最新パーツをなるべく安価に導入したいなら魅力的な1枚となるだろう。