エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.517
2016.09.26 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
豊富なカスタマイズ要素も「Barocco」の魅力。しかしMISTELが謳い文句にしていた、「右だけで全部入力できる」とはどういうことだろう |
このサイズで分離スタイルの入力ができるだけでも素晴らしいが、実は「Barocco」のもつ機能はそれだけではない。公式で「右ユニット単独ですべての入力が可能」と謳う、多彩なマクロ設定・カスタマイズに対応しているのだ。
ちなみになぜ「右ユニット」なのかと言えば、それは設定に必要なキーが右側に集中して配置されているため。他の機能キーを呼び出す際にも使用する「Fn」キーに加え、すぐ横に配置された謎の「Pn」キー、いかにもな「Layer」キー(1~3まである)がそれだ。普段使っているだけではまったく反応しない、右下の意味ありげなインジケータもこの時に活躍してくれる。
右ユニットに集中配置された、カスタマイズ用の特殊キー。設定は3つ並んだ「Layer」キーにそれぞれ個別に保存できる | |
カスタマイズの際も活躍する「Fn」キー、そして右の「Pn」キーもこの際に使用する。右下のインジケータもまた、カスタマイズの段になって意味をもってくるぞ |
具体的に解説すると、カスタマイズ設定は「Layer 1」~「Layer 3」の3プロファイルが設定可能で、それぞれの内容はオンボードメモリに保存される仕組み。「Fn」+「Layer」キーの入力で設定した“Layer”(プロファイル)が起動、「Fn」キーと別の「Layer」キーを入力することで、異なる設定に瞬時に切り替えることができる。「Fn」+「Default」キーを押せば通常のモードに戻れるため、通常+3つのカスタムモードがあると考えれば分かりやすい。
なお、Layerを起動するとLEDインジケータの真ん中が点灯(Layer 1:Red / Layer 2:Green / Layer 3:Blue)し、どのLayerを使用しているか判別できるようになっている。
「Fn」+「Layer」キーを押すと、真ん中のLEDランプが該当のLayerに対応したカラーに点灯する。現在は「Layer 1」(Red)が起動している状態だ |
そしてこれらの設定は、すべてキー入力によるハードウェアカスタマイズだ。「Fn」+「右Ctrl」キーを押すことで、右端のLEDインジケータが点灯(Blue)。これでいわば“設定モード”が起動し、キー変更やマクロ登録を設定することができる。
ここで変更対象のキーを押すと、右端のLEDが点滅し入力受付モードに移行。この状態で変更したいキーやマクロを入力、「Pn」キーを押すことで該当キーの設定が完了する。ほかに変更したいキーがあればこの流れを繰り返し、最後にもう一度「Fn」+「右Ctrl」を入力することで“設定モード”を終了させ、設定内容を確定させることができる。
なお、カスタマイズは全キーが対象であり、主要キーだけでなく機能キーの変更も可能。定番である「Ctrl」と「Caps Lock」の入れ替えや、左右の「Space」キーのどちらかを「Back Space」キーに割り当てるといったこともできる。つまり左ユニットのキーを右側に割り当てれば、必要に応じてLayerを切り替えることで、右ユニット単体でのフルキーボード入力も実現できるというワケだ。
カスタマイズ用の“設定モード”を起動させると、右端のLEDがBlueに点灯する。キー変更中は点滅し、入力受付中であることを教えてくれる。なお、「Fn」+「Reset」を長押しすることで、現在起動しているLayerの設定を文字通りリセットすることができる | |
左端のインジケータが点灯しているのは、「Fn」+「Layout」キーを入力した場合。これがかなりレアな機能だった |
ちなみにここまでスルーされてきたLEDインジケータの左端、何を隠そうこれはキー配列を判別するためのもの。言わずもがなQWERTY配列ベースの「Barocco」だが、なんと「Fn」+「Layout」キーを入力することで、「Dvorak配列」と「Colemak配列」に切り替えることができるのだ。いずれも英文入力用の最適化配列ながら、そもそもこの配列に対応するキーボード自体が希少。どこかでこれを聞いて、狂喜乱舞しているマニアがいるかもしれない。
配列変更は全Layer共通で、左端のLEDがBlueの場合は「Dvorak配列」、Greenの際は「Colemak配列」に切り替わる。いずれも英文を効率よく高速に入力するための配列で、このレイアウトに対応するキーボードはかなり希少だ |