エルミタ的「編集部で使ってみた」
2016.10.03 更新
文:GDM編集部 池西 樹
NVMe M.2 SSDの定番モデル「SM951-NVMe」。アキバでは早くから発売が開始されたこともあり、使用している人も多いことだろう |
続いてSamsung「SM951-NVMe」シリーズの256GBモデル「MZVPV256HDGL-00000」の結果を確認していこう。
CrystalDiskMark 5.1.2(単体) | |
CrystalDiskMark 5.1.2(kryoM.2) |
Intel「600p」シリーズより高性能なSamsung「SM951-NVMe」シリーズでは、最高83℃まで温度が上昇。高温には比較的強い設計のようで、パフォーマンス低下は見られないが、正直常用するには二の足を踏むレベル。これが「kryoM.2」を使用することで最高46℃へと37℃も温度が低下。その効果はまさに劇的だ。
ATTO Disk Benchmark 3.05(単体) | |
ATTO Disk Benchmark 3.05(kryoM.2) |
「ATTO Disk Benchmark 3.05」でも単体時は82℃まで温度が上昇。テスト2回目には、サーマルスロットリングによる速度低下も発生しており、長時間高負荷がかかる処理では安定性に不安が残る。一方「kryoM.2」搭載時は最高でも44℃までしか上がらず、優秀な結果。これだけ温度に差がつくと、性能だけでなく耐久性への影響も大きいはずだ。
テスト実行中のサーモグラフィ結果。ヒートシンク部分はおおむね33℃前後でかなり温度は低め | |
裏面を確認するとコントローラ部分を中心に熱が基板全体に拡散している様子が見て取れる。温度は35℃前後、最高で39.3℃と表面よりは高いものの特に問題はないレベル |
変換カードにパッシブヒートシンクを組み合わせたシンプルな製品ながら、Samsung「SM951-NVMe」シリーズでは-37℃、Intel「600p」シリーズでは-40℃と大幅に温度が低下。頻発していたサーマルスロットリングも完全に解消でき、「kryoM.2 with Passive Heatsink」を導入することでNVMe M.2 SSDの安定動作が可能になる。
M.2 SSDの発熱を抑え、サーマルスロットリングを解消できる「kryoM.2 with Passive Heatsink」。大幅は温度低下による長寿命化も期待できる |
M.2 SSDのメリットであるコンパクトさが失われてしまうこと、またPCI-Expressスロットを専有するデメリットはあるものの、その効果は絶大。価格も4,000円前後と、変換アダプタ+ヒートシンクの組み合わせと考えれば十分許容範囲内だ。今後さらにNVMe対応M.2 SSDの普及が進む事を考えれば、需要が増えるのは確実。安定的な流通とともに、他メーカーからも同様のモデルが登場することにぜひ期待したい。