知る人ぞ知るOEMメーカーAsetek。この社名にピンとくる人は、積極的にPCパーツ情報に触れる「通」のユーザー、または業界関係者だろう。
2003年からオールインワン水冷の開発に着手し、2006年から出荷を開始。現在の安定したオールインワン水冷ユニットの水準を作ったのは、Asetekの功績と言っても差し障りない。急速な普及の足がかりとなったCORSAIRをはじめ、AMD、Antec、CRYORIG、EVGA、Intel、NZXT、Thermaltake、ZALMAN Tech、サイズなど、多くのパートナーにOEM供給を行い、実績を積み重ねている。世界のオールインワン水冷ユニットを牽引してきた先駆者たちには、どんな未来が見えているのだろうか。
Asetekに聞く「水冷あれこれ」
今回インタビューに応じてくれたのは、グローバルマーケティングを務めるMitch Podlaha氏とアジア地域の営業を担当するJeff Cheng氏。オールインワン水冷ユニット成功の理由や今後の展望について、じっくり話を聞いた。
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Mitch Podlaha氏(グローバルマーケティング担当)は入社してまだ1年。前職は同じくカリフォルニアに本社を置くNZXTで、北米地域のマーケティングを担当
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オールインワン水冷ユニット、ヒットの理由
- 編集部
はじめに、来日の目的を教えてください。
- Mitch氏
日本市場の調査と取引先との商談です。サイコムをはじめ、日本のBTOカスタマーと話をする予定になっています。その前は台湾で、複数のパーツメーカーと会ってきました。
- 編集部
スタッフは何名いるのですか。
- Jeff氏
全部で約60名です。私もMitchもそうですが、各地域の担当者は在宅勤務です。私は台北でMitchはカリフォルニア。そして、開発拠点はデンマークになります。
- 編集部
コンシューマ向けのオールインワン水冷ユニットとデータセンター向け水冷システムの取り扱いの比率は?
- Jeff氏
主力はオールインワン水冷ユニットです。データセンター向けが10%強といったところでしょうか。ちなみに日本では、富士通が取り扱うデータセンター向けの水冷システムに採用され、東京大学と筑波大学で使用されているんですよ。
- 編集部
DIY水冷に参入するメーカーも増え、ここ数年の自作シーンでは、にわかに盛り上がっている印象です。DIY水冷について、どのように考えていますか。
- Mitch氏
個人的には好きです(笑)。ただし、Asetekとしては完全に市場の棲み分けはできていると考えています。脅威に感じるということはまったくありません。
- 編集部
日本で大成功を収めているのが、ブームの先駆けとなったCORSAIR製のオールインワン水冷ユニットです。成功の秘訣はどの辺りにあったと考えていますか?
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今年5月にはオールインワン水冷ユニットの累計出荷台数が300万台に達した事を発表。出荷台数が急激に増えた要因として、PCゲームのユーザー数の増加が挙げられている
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