エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.521
2016.10.24 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「インテリジェントPWMファンコントロールシステム」は、以前検証を行ったミドルタワーPCケース「DS 230」にも装備されていた、冷却ファンの制御を行う独自のギミック。しかし検証済みのそれとは違い、「P7-C1」では別パターンの基板が付属されていた。
名称は同一ながら「DS 230」とは異なる基板を備える。違いは制御できるチャンネル数で、動作自体に大きな相違点はない。なお基板は空きスペースを探し、ペタリと貼り付けて設置する |
具体的には、マザーボードのPWMコネクタに接続。さらに最大5基までの冷却ファンを基板上のコネクタに接続すれば、一括でPWMコントロールで制御できる。マザーボード上のコネクタが足りない場合や、システム全体の冷却ファンを、負荷状況によって回転数を自動でコントロールしたい場合に重宝する機能だ。
基板にはスイッチを設け、プッシュする毎に60%、100%、PWMモードの任意切替が可能。「Speed indicator」を備え、LED発光により設定状況も視認できる |
本稿最後は、LEDマルチライティング機能をチェックする。「P7-C1」で最も特徴的なのが、フロントパネル内周に装備されたLEDストリップの発光ギミックだ。先述のとおり、8色のカラーをフロントトップのスイッチで操作でき、発光パターンの変更や、消灯もチョイスできる。
フロントパネル内周360°にLEDストリップを内蔵。「P7-C1」の最も象徴的なアピールポイントだ |
PowerスイッチをONにすると、ホワイト、シアン、ブルー、パープル、レッド、オレンジ、イエロー、グリーンに点灯。LEDエフェクトスイッチで好みの点灯パターンに設定。LEDストリップの輝度は高く、日中でもハッキリとしたイルミネーションを楽しむ事ができる。参考までに8色ローテーションの発光する様子を動画で示しておこう。
「COMPUTEX TAIPEI 2016」のAerocoolブースでベールを脱いだ「PROJECT 7」。その中心的な存在としてリリースされた「P7-C1」は、個性的なフロントパネルデザインと、特徴的なLEDイルミネーションギミックにより、プロジェクトの看板モデルとして十分な異彩を放つ存在だ。とりわけ8色+4種のパターンにより印象を変えるLEDマルチライティング機能は、操作性も良好。左サイドの強化ガラス、さらには任意箇所に設置できるLEDストリップも付属し、「魅せるPC」の構築には最適なミドルタワーPCケースとして、多くの自作派ユーザーが魅力的を感じる事だろう。
設計面では「P7-C1」のように奥行きが短く、天井が高い縦長シャーシのPCケースは意外にも少ない。フロントパネルとリアパネルの距離が近いと、フロントから吸気した風が背面および上面に抜けるスピードが速くなる。つまり筐体内部の滞在時間が短いだけ、冷却には有利とされている。
「P7-C1」にはフロントパネル裏にドライブベイが無いため、奥行きが短くても拡張カード搭載スペースは十分に確保できている。もちろんラジエターとの共存にも問題がない。組み込み作業もしやすく、これといって欠点が見当たらない。
ドライブベイレイアウトに”異変”が起きている近頃のPCケース事情。今後は従来の横長から縦長のPCケースが増えるかもしれない。「P7-C1」は要所にイマドキのポイントを押さえた、イマドキのPCケースと言えるだろう。