エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.521
2016.10.24 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
Aerocool「P7-C1」の外観をじっくり観察した後は、内部構造に迫っていく。強化ガラスを取り外し、左側面から内部を見ると、下段に装着されたカバーの存在に気が付く。これは近ごろ採用例が多い、電源ユニット搭載エリアをスッポリ隠す、いわば”目隠し”だ。
左サイドの強化ガラスを取り外し、PCケースの要である内部設計をチェックする |
多くの場合、ドライブベイもひとまとめに覆うことから、”二層構造による熱分離設計”をアピールするケースもあった。しかし実際には、電源ユニット付近や、複数のストレージに接続されたケーブルの乱雑な様子を隠す役割が大きい。つまり「魅せるPC」を意識した装飾品と考えるべきだろう。
内部設計でまず注目したいのが、エアフローレイアウトだ。冒頭で外形寸法に触れたが、「P7-C1」はミドルタワーPCケースとして、決して大型な部類ではない。それでも最大6基の冷却ファンと、内部設計の最適化により、フロント吸気からトップおよびリアの排気によるスムーズな”風の通り道”を作り上げている。
「P7-C1」のエアフローレイアウト。ボトムに装着されたカバーより上部のエリアは、最大6基の冷却ファンで風の流れを構築している |
特徴的な6角形のフロントパネルを外すと、シャーシ面には防塵フィルタが装備されている。この裏手にはオプションで、120mm口径ファン3基または140mm口径ファン2基が増設できる。ここは「P7-C1」内部に、フレッシュな外気を常時送り続ける重要な役割を担うことから、”任意”ながら冷却ファンを増設した方がいいだろう。なお360mm、280mm、240mmサイズのラジエターも搭載可能。DIY水冷の構築にも対応している。
フロントパネルを外したシャーシ面には、着脱式防塵フィルタを装備。その裏には120mm口径ファン3基または140mm口径ファン2基が増設できるスペースが設けられている | |
シャーシ面の冷却ファン増設スペース。ネジ穴はスリットタイプで、上下方向に微調整が可能。最大360mmサイズのラジエターも搭載できる |
トップの三角屋根は、外装パネルで形成されており、内部のシャーシはフラットな状態。ここには120mm口径ファン2基が増設できる。上面排気を”自然排気”にして冷却ファンを増設しないケースもあるだろう。搭載させる構成パーツとの兼ね合いだが、できれば静音ファンにより、ゆるやかな回転で排気をアシストさせれば、より安定した温度状態が保つことができそうだ。なおこの部分には240mmサイズラジエターが搭載できる。オールインワン水冷ユニット導入には有効なスペースとなるだろう。
トップパネルの冷却ファン増設スペースを内部から観察。ほぼ全面にわたるメッシュパネル仕様で、冷却ファン無しの状態でもある程度の自然排気はできるだろう | |
ABS樹脂製のトップパネルを外し、シャーシ側をチェック。冷却ファン増設部は天板よりも約25mm高く曲げ加工が施されていた。つまり増設した冷却ファンは、シャーシの外側にマウントする事になる |
リア部の120mm口径ファンが、唯一の標準装備ファン。内部にこもった熱を背面に排出する役割を果たしてくれる。インペラ数は7枚で、手元資料やメーカーサイトにも回転数等の詳細情報は開示されていない。なお120mmサイズラジエターを搭載する事も可能だ。最も一般的なオールインワン水冷ユニットなら、このスペースを使う事になるだろう。
Aerocoolブランドロゴのシールが中央部に貼り付けられた、標準装備品の120mm口径ファン。スペックは不明ながら、動作時の騒音値は低い。ちなみにコネクタは3pinと4pinペリフェラルの2又タイプ |