エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.523
2016.11.02 更新
文:GDM編集部 Tawashi / 絵踏 一
クーラント液の注入が終わったら、いよいよ作業も最終段階。ポンプやウォーターブロック、ラジエターに貯まったエア抜きを行う。水抜きと同じ方法で、「Core P3」を抱えて回転させるように動かしていく。この時、特に注意したいのはポンプ部分。エアが貯まっていると動作時に空回りをして故障の原因になる。目安としては、リザーバー内のクーラント液の水位が、始める前よりも明らかに下がっていればエア抜きは成功している。
多少力任せながら「Core P3」持ちあげて回す。逆さまにする必要はないが、ボトム部分に貯まったエアをトップ方向に逃がしてやるようなイメージ | エアがうまく抜ければ、作業前より数センチほどリザーバー内のクーラント液の水位が下がっている |
エア抜きが無事終了したところで最後の仕上げ。クーラント液を注入したリザーバーのフィッティングを軽めに締めておく。これで1週間程度PCを使い続け、動作中に熱をもち膨張したエアの圧力を逃がしてやる。もしフィッティングしっかり締めてしまうと、逃げ場を失った圧力がハードチューブの接続口などから抜け、水漏れを起こしてしまうのだ。1週間経ったらしっかり締めて、あとは使い続けて構わない。
リザーバーのフィッティング。作業終了後の1週間は、エアが抜ける程度に軽めに締めておこう |
組み込み作業が完了した「Core P3」。MSI「GAMING Series」のベースカラーであるレッドと上手く調和が取れたDIY水冷マシンが完成した |
これにて長丁場のDIY水冷組み込み作業も終了だ。最後に完成した各部位を画像で確認しておこう。
かつてDIY水冷パーツを使った自作といえば、一部のエンスージアストが楽しむニッチな世界だった。そんな状況を打開すべく投入されたのが、Thermaltake「Pacific」シリーズだ。今回使用した「Core P3」は、広大なラジエタースペースが確保されるなど、まさにDIY水冷に最適なPCケース。「Pacific RL360 D5 Hard Tube RGB Water Cooling Kit」との相性も良く、初めてのDIY水冷チャレンジにはベストな組み合わせと言えるだろう。
なにより「DIY水冷で組んだPCはカッコいい。誰でも安全な水冷PCが組める時代になった」とは、ほかならぬ門馬氏の言。自作経験の長いベテランユーザーでも、組みあがった時の満足感はこのうえなく、完成したPCを眺める度に感がい深い思いが味わえるだろう。是非この機会にチャレンジしてみてほしい。