エルミタ的「編集部で使ってみた」
2016.11.05 更新
文:GDM編集部 池西 樹
汎用ヒートシンクに続いて、自作ヒートプレートによる冷却に挑戦してみよう。素材には厚さ2mmのアルミニウム板と銅板の2種類を選択。22×70mmサイズにカットし、熱伝導シートで貼り付けた。ヒートシンクとは違い、周辺コンポーネントと干渉する心配はないものの、単なるプレートでどこまで冷却効果を発揮できるのかチェックしてみよう。
ヒートプレートの加工はインターネットで検索した板金業者に依頼。費用は加工費込みでアルミニウム板が税込432円、銅板が税込864円(送料別) |
アルミニウム製ヒートプレートを装着したところ。重量は約10gしかなく非常に軽量だ | |
CrystalDiskMark 5.1.2 | |
ATTO Disk Benchmark 3.05 |
「ATTO Disk Benchmark 3.05」は最高43℃、「CrystalDiskMark 5.1.2」でも最高55℃に抑え込むことに成功した。さすがに背高ヒートシンクの「YH-3020A」「YH-3820A」には及ばないものの、コンパクトモデル「HM-19A」「HM-17A」よりは優秀。省スペース性を優先するならアルミニウムの自作ヒートプレートは有効な手段となる。
また今回の結果をみる限り、PLEXTOR「M8Pe」シリーズのようなヒートプレートによる冷却は、簡易的ながら理にかなった方法だ。
銅製ヒートプレートを装着したところ。重量はアルミニウム板の約3倍となる28g。実際に使用する際は脱落しないようシッカリと固定する必要がある | |
CrystalDiskMark 5.1.2 | |
ATTO Disk Benchmark 3.05 |
アルミニウムに比べて熱伝導性に優れる一方、自己放熱能力が低い銅。この特徴がどう結果に表れるのか注目していたが、いずれのテストでも最高温度は約5℃高く、アルミニウムプレートの後塵を拝する結果。作成コストも約2倍、腐食にも弱いことから敢えて素材に銅を選ぶメリットはなかった。
圧倒的なパフォーマンスと引き換えに“発熱”という問題を抱えるNVMe SSD。そこで今回は汎用ヒートシンクの導入を検討したわけだが、かなり小型のものでもサーマルスロットリングを解消。さらに「YH-3020A」クラスのヒートシンクなら、ほぼ完全に発熱を抑えこむことができる。簡単ながら有効な方法だ。マザーボードのスロット位置によって導入が難しい場合には、M.2-PCI-Express変換ボードを組み合わせればスペースの問題も解決できる。
M.2 SSDの発熱を完全に抑え込むことができる「YH-3020A」。グラフィックスカードと干渉するならM.2-PCI-Express変換ボードを組み合わせるといいだろう |
またどうしてもマザーボード上のM.2スロットにこだわるなら、アルミニウム板によるヒートプレートの自作もオススメ。板金業者を探す必要があるため、手軽さの点では汎用ヒートシンクにかなわないものの、検証結果を見る限り冷却性能にはなんら不安はない。
ストレージでは最高性能もさることながら、安定したパフォーマンスが何より重要。NVMe SSDを使用(または購入を検討)しているなら、環境にあった冷却対策を施してほしい。