エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.525
2016.11.12 更新
文:GDM編集部 池西 樹
自作のアルミニウム製ヒートシンクを使用して、温度とパフォーマンスがどの程度改善されるのか確認してみることにした |
「CrystalDiskMark 5.1.2」と「ATTO Disk Benchmark 3.05」では、サーマルスロットリングと思われる症状が発生した「XPG SX8000」。最後にベンチマーク実行中の温度と自作アルミニウム製ヒートシンクによる冷却で、どの程度パフォーマンスが改善されるのか確認していこう。
CrystalDiskMark 5.1.2(ヒートシンク非搭載) | |
CrystalDiskMark 5.1.2(ヒートシンク搭載) |
「CrystalDiskMark 5.1.2」を実行するとSSDの温度は一気に70℃前後まで上昇し、最高74℃を計測。これによりサーマルスロットリングが発生し、転送速度は1,200MB/sec前後で頭打ちになる。一方アルミニウム製ヒートシンクを搭載すると温度上昇が緩やかになり、最高温度も63℃まで低下。転送速度も2,400MB/secまで回復した。
ATTO Disk Benchmark 3.05(ヒートシンク非搭載) | |
ATTO Disk Benchmark 3.05(ヒートシンク搭載) |
「ATTO Disk Benchmark 3.05」でもアルミニウム製ヒートシンクを取り付けることで、シーケンシャル読込は2,050MB/sec、書込は1,200MB/secまでパフォーマンスが回復。ちなみにサーマルスロットリングのしきい値は約65℃。常に安定した性能を発揮するにはSSDの温度がこれ以下になるよう冷却を施す必要がある。アルミニウム製ヒートシンクでは、「ATTO Disk Benchmark 3.05」は問題ないものの、「CrystalDiskMark 5.1.2」ではギリギリのライン。ディスクに負荷をかける処理を頻繁に行うなら、さらに風を送るなどの対応が必要になる。
NVMe SSDとしては後発となるADATA「XPG SX8000」シリーズ。特にシーケンシャルアクセスは読込・書込とも現行最高クラスの性能で、巨大なデータを扱う最新ゲームやクリエイティブ作業には最適。また後発製品らしくファームウェアの最適化も進み、データサイズによる性能差や、ベンチマークの相性問題も見られず、常に安定したパフォーマンスを発揮できるのも評価できるポイントだ。
高品質な3D NAND MLCや独自データ整合性技術の採用により、信頼性・耐久性にも不安なし。パフォーマンスを最大限に発揮するためにも、熱対策だけはシッカリと行いたい |
ただし、発熱には注意が必要。もともとNVMe SSDは高速アクセスの代償として発熱問題を抱えているが、ADATA「XPG SX8000」シリーズでは耐久性・信頼性を重視しているためか、しきい値が約65℃前後とやや低め。そのままの状態で使用していると、頻繁にサーマルスロットリングが発生する可能性が高い。せっかくの高速SSD、そのパフォーマンスを最大限に発揮するためにも熱対策はシッカリと行いたい。