エルミタ的「編集部で使ってみた」
2016.11.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
では実際に「VGAサポートステイ」をPCケースに取り付けてみよう。搭載テストには、以前詳細検証を行ったAerocool「P7-C1」を使用した。
このPCケースには、現在流行のボトムカバーが装着されている。実は突っ張り棒タイプの場合、ある程度PCケース上下の幅が必要で、狭い場合は取り付けができない事がある。HDDケージや電源ユニットを覆い隠すボトムカバーの高さは最低でも、ATX電源ユニットの規格値である86mm以上。天井までのスペースがネックになる。一方、底面からの自立式である「VGAサポートステイ」なら、磁石の厚さを含めて160mm強あれば設置ができる。
なお注意しなければならないのは、ボトムカバーの素材。PCケース自体が磁性体のスチールでも、ボトムカバーがABS樹脂の非磁性体である場合がある。設置面の素材により、マグネット式か、ラインナップに加わった自己粘着式かを選択すればいい。前置きが長くなったが、何はともあれ「P7-C1」に「VGAサポートステイ」を装着してみよう。
「VGAサポートステイ」無しの状態では、明らかに右下がりのグラフィックスカード |
搭載テストに用意したグラフィックスカードには、3連ファン仕様のGIGABYTE「WINDFORCE 3X」が装着されている。カード長は311mmのロングタイプで、明らかに右下がり状態。バスインターフェイスからはみ出した部分は実測で約150mmもあり、支えが無い部分は自らの重さに負けてしまう。
「VGAサポートステイ」を取り付けた状態。ボトムカバーがある分、「延長ステイ」は不要だった |
「VGAサポートステイ」を装着し、「WINDFORCE 3X」のカバー部をフックで下支えすると、右下がりは見事に矯正されている。拡張ブラケットとバスインターフェイスと平行状態が保たれ、ぐらつきも無い。
言うなれば特に目新しいワケではない、グラフィックスカードのサポートアイテム。にもかかわらず「VGAサポートステイ」が売れているのは、見た目の分かりやすさが最大の理由だ。難しい講釈も他人からのアドバイスもいらない。装着すればすぐに実感できるその効果は、自作派の多くが抱える悩みをスッキリ解消してくれる。重量級グラフィックスカードによる、バスインターフェイスへの負担軽減はもとより、「魅せるPC」ブームも手伝って、見栄えの悪さも改善できる。
そして、自社一貫生産を謳う、”長尾ブランド”である事が決定打になっている。相変わらずユーザーからの支持は高く、決して派手では無いものの、コツコツと積み上げてきた信頼の高さは、品切れを起こすほどの需要が証明している。一般ユースはもとより、BTOメーカーが導入すれば、いいアピールポイントになるかもしれない。