エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.528
2016.11.30 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
くどいようだが、横幅140mmとスリムな外観スタイルが特徴の「Core G3」。そのコンセプトこそ、このモデルを選択する重要な理由であるはずだ。一方その代償として、ある程度の犠牲は覚悟する必要がある。恐らくメーカーにとって、CPUクーラー有効スペースについては積極的に取り上げて欲しくない項目だろう。
想像通りだが、この筐体内に収める事ができるCPUクーラーの高さは、公称最大110mm。まずサイドフロー型CPUクーラーの選択肢は無く、ATX対応でありながら、Mini-ITX用に設計されたロープロファイルタイプのトップフロー型に限定される。そこでこの条件に最適なのが、国内発売が近いというThermaltakeの新型モデル「Engine 27」だ。
国内でも近く販売が予定されているIntel LGA 115x専用「Engine 27」(型番:CL-P032-CA06SL-A)。外形寸法は直径91.5mm、高さ27mmで、重量は310g。60mm口径の冷却ファンはアルミニウム製で、回転数1,500~2,500rpm、風量9.2CFM、騒音値13~25dBAとされる |
円形ヒートシンクの内部にラジアルデザインのアルミニウムブレードファンを内蔵。全高27mmの超ロープロスタイルは、1UラックマウントやミニPCに最適化されている。何はともあれ、実際に搭載したイメージをご覧頂こう。
小型軽量のロープロモデルながら、バックプレートによるネジ留めで固定。全高27mmとあって、「Core G3」のサイズ感が今ひとつ分かりにくい | |
CPUクーラーの有効高は110mm。高さ27mmの「Engine 27」を搭載すると、空きスペースは実測で90mm程度だった。やや計算が合わないが、誤差の範囲と理解しておこう |
CPUソケットの上空はわずか110mmなのだが、さすがに全高27mmの「Engine 27」は小さく見える。純正クーラーでは飽き足らない自作派には、興味深い選択肢のひとつだ。
なおここまでは空冷を想定した場合。近年めざましい進化を遂げている、薄型高性能のポンプ一体型水冷ヘッド採用のオールインワン水冷ユニットを使う手もある。
「Engine 27」を取り付けたところで、CPUクーラーメンテナンスホールをチェックしておこう。カットサイズは、実測で幅約170mm、高さ約155mm(いずれも最大部)。比較的小振りな「Engine 27」のバックプレートは、どの部分にも干渉する事なく、メンテナンスホールから露出できている事が分かる。
LGA115x系ネジピッチからは大きくはみ出さない「Engine 27」のバックプレートサイズ。もちろんCPUクーラーメンテナンスホールに干渉する事はなかった |
唯一のラジエター搭載エリアとなる、フロントパネル裏。せっかくの装備なので、240mmサイズラジエターの搭載を試みた。作業手順は、標準装備される120mm口径ファンを一旦取り外し、ラジエターが固定できる長さのネジと付け替える。チューブの出口はグラフィックスカードのレイアウトから、必然的に下向きにマウントすることになる。
シャーシ(フロントパネル)→25mm厚ファン→ラジエターの順でフロントパネル裏にネジ留め。作業する際にはグラフィックスカードを外しておこう |
気になるのは、グラフィックスカードとの物理的干渉。搭載テストでは奥行き277mmのグラフィックスカードとの組み合わせだが、25mm厚冷却ファン+25mm厚ラジエターとの空きスペースは実測で約10mmあまり。水冷を導入する場合、事前にサイズを確認しておく必要がある。