エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.530
2016.12.09 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
外装周りの点検が終わり、次は内部構造に迫っていこう。ミドルタワーPCケースとしては、標準的なサイズに収められている「460X RGB」は、どんな構造になっているのだろう。チェックを進めていく事で、製品コンセプトがより明確になってくるはずだ。
近頃リリースされるミドルタワーPCケース、そのほとんどに共通して装備されているのが「ボトムカバー」だ。急激に普及したカバーは、ボトムレイアウトの電源ユニットとHDDケージをスッポリ覆う事で、ゴチャゴチャして見苦しいケーブルを隠してくれる。さらに”ケーブルマネジメント”と”魅せるPC”という2つのキーワードに共通して生まれた装備は、従来あるべきフロントパネル裏のシャドウベイを取り払い、内部設計を大きく変えた。
「460X RGB」標準のボトムカバーは、ABS樹脂製で、2枚のL字型パーティションで構成。それぞれマザーボードトレイ背面でハンドスクリューにより固定され、個別に取り外しができる。
2つのパーツで構成されたボトムカバー。着脱は容易で、組み込み時は取り外しが可能。なお上部のスルーホールは、グラフィックスカードの補助電源コネクタ向けで、PCIe電源コネクタケーブルを通すことができる |
冷却機構はPCにおける重要ポイント。事前にしっかりとチェックしておきたい。「460X RGB」はフロントパネルに強化ガラスが装着されているため、ABS樹脂製の枠側面には通気孔を設け、密閉状態を回避している。さらにトップ面は通気孔仕様で、マグネット固定式防塵フィルタを装備。リアにも増設スペースを設け、オーソドックスながら良好な風の通り道が確保できている。
「460X RGB」のエアフローレイアウト。詳細は箇所別に詳しく解説していこう |
フロントパネル裏には、唯一の標準装備品となる120mm口径冷却ファンがマウントされている。これが国内市場でも10月より販売が開始されているLED内蔵ファン「SP120 RGB」だ。冷却ファンとしての能力は、風量1,400rpm±10%、騒音値26dBA、風量52CFM、静圧1.45mmH2Oで、9枚インペラの静音モデル。合計4個の高輝度LEDを内蔵し、それぞれを「LEDハブ」で接続。LEDコントローラーで、イルミネーションの変化や色が変更できるようになっている。モデル名からも分かるように「460X RGB」はこの装備品が最大の特徴であり、このモデルを指名する理由になっている。
単体発売される「SP120 RGB」。合計3基とハブ+コントローラーの組み合わせは、「SP120 RGB LED Three Pack」に該当し、これが標準装備されるだけで「かなりお買い得」と計算する人もいるようだ | |
フロントパネルほぼ全ての面積を専有する120mm口径ファン3基により、外部のクリーンな空気を常時内部に送り込んでくれる。見栄えやお得感だけでなく、本来の役割もきちんと理解しておきたい |
目の細かいマグネット固定式防塵フィルタを外すと、通気孔が露わになるトップ面。ここには120mm口径ファンまたは140mm口径ファンが2基増設できる。ネジ穴はスリットタイプで、前後方向に搭載位置が調節できる。
ネジ穴(スリット)は、120mm用ピッチと140mm用ピッチの2パターン。マザーボードから距離を置くように、左サイドパネル側にオフセットされている事が分かる |
標準装備になるケースが多いリアファンだが、「460X RGB」ではオプション扱いとされている。CPUソケット周辺はもとより、内部の熱を外へ排出させる役割を担う箇所だけに、通気孔のみの自然吸気ではなく、できれば冷却ファンは増設しておきたい。なお搭載できるのは120mm口径で、ネジ穴はスリットタイプを採用。上下に約30mmスライドの範囲内で搭載位置が調節できる。もちろん120mmサイズラジエターのマウントも可能だ。
フロントファンに予算を掛けすぎたのか、リアはオプション扱い。ボディ幅220mmだけに、増設できる最大サイズは120mm口径に留められている |