エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.531
2016.12.10 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ストレスベンチマークを使い「WINDFORCE 2X」の冷却性能を確認する |
パフォーマンス検証が一段落したところで、ここからはストレステスト「Fire Strike Stress Test」を使い、オリジナルクーラー「WINDFORCE 2X」の冷却性能を確認していこう。高負荷時は、ストレステスト実行中の最大値、アイドル時は起動直後10分間何もせず放置した際の温度を採用している。
GPU温度計測(℃ / 室温21.5℃) | |
「Fire Strike Stress Test」実行時のサーモグラフィー結果 |
アイドル時は完全にファンが停止するにも関わらず40℃前半で安定しており、「WINDFORCE 2X」のヒートシンクは非常に優秀。高負荷時も最高62℃までしか上がらず、オーバークロック状態のGeForce GTX 1050 Tiの発熱を完全に抑え込むことができる。またサーモグラフィーの結果を見ると表面は最大で約41℃、バックプレートのある裏面も最高約50℃までしか上がらず、発熱自体それほど大きくないことがわかる。
ファン回転数計測(rpm) | |
騒音値(dBA / 暗騒音33.1dBA) |
またファンの回転数は最高でも約40%の1,185rpmで、冷却性能にはまだまだ余力がある状態。騒音値も最高37.3dBAと極めて静かに動作し、バラック状態にも関わらずファンの回転開始をノイズから認識することはできなかった。
テストの最後は消費電力を確認しておこう。こちらも測定は「Fire Strike Stress Test」実行時の最大値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の値をアイドル時に設定。“Wattup Pro”を使用して消費電力を計測している。
消費電力(W) |
Skylakeでは最上位となるCore i7-6700Kとの組み合わせだが、アイドル時は40W前半、高負荷時でも150W以下に収まった。またオーバークロックによる消費電力差も約10Wと小さいことから、個人的には「OCモード」での運用を強くオススメする。
人気メインストリームGeForce GTX 750 Tiの正統後継として登場したGeForce GTX 1050 Ti。これまで通りの省電力性を継承しつつ、パフォーマンスは大幅に向上。現行最も一般的なフルHD解像度までなら、最新ゲームでも高画質設定で楽しむことができ、カジュアルゲーマーの欲求を十二分に満たしてくれることだろう。
フルHDまでなら十分なパフォーマンスに加え、冷却性能や静音性も素晴らしい「GTX 1050 Ti G1 Gaming 4G」。GeForce GTX 750 Ti以前のメインストリームGPUを使っているなら、買い替えオススメする |
またパフォーマンスが最重要視されるハイエンドと異なり、メインストリームではバランスの良さも選択する上で重要な要素。その点、圧倒的とも言える冷却性能と静音性を誇る「WINDFORCE 2X」は魅力的な存在だ。また否定的に取られがちな補助電源コネクタも、高クロックチューンの安定性を考えればむしろプラス。全方位にスキのない「GTX 1050 Ti G1 Gaming 4G」は、完成度の高いメインストリームグラフィックスとしてオススメできる1枚だ。