エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.536
2017.01.04 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いてオーバークロックによって、どの程度消費電力が増加するか確認しておこう。計測は「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
「GAME BOOST」によるオーバークロックでは、コア電圧の上昇に加え、省電力機構が無効になるためアイドル時でも約20W増加。高負荷時は約50Wとかなり大きな差がついた。「Z270 GAMING M7」では、高品質なコンポーネントと11フェーズにおよぶ堅牢な電源回路を備えるため、特に問題はなかったが、電源回路の弱いマザーボードでは大幅なクロックアップを狙うのは難しいだろう。
Kabylake自体がSkylakeのマイナーバージョンアップということもあり、「Intel Optane Memory」への対応や、PCI-Express3.0レーンの追加など、これまでに比べると変更点が少ないIntel 200シリーズ。しかし「Z270 GAMING M7」では、デュアルチップを搭載する高品位オーディオ「Audio Boost 4 PRO」や、より進化したライティング機能「Mystic Light」、帯域幅16Gbpsの「USB 3.1 Gen2 Lightning」、M.2 SSDの発熱を抑える「M.2 Shield」など、単なるチップセットのアップグレードに留まらない、多くの改良が加えられている。
もちろん、従来通りMSIらしい高品質設計は踏襲。さらにノブを回すだけでオーバークロックができる「GAME BOOST Knob」や、1クリックでNVMe SSDを構築できる「M.2 Genie」など、ユーザーの利便性を追求した機能も多数実装。自作PCに慣れたベテランユーザーだけでなく、PCに不慣れなユーザーにも十分訴求することができる、魅力ある製品に仕上げられていた。