エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.536
2017.01.04 更新
文:GDM編集部 池西 樹
M.2 SSD専用ヒートシンク「M.2 Shield」。M.2 2242 / 2260 / 2280に対応するネジ穴が用意されており、M.2 SSDにかぶせて固定できる |
SATA3.0(6Gbps) SSDを圧倒するパフォーマンスの一方で、発熱という厄介な問題を抱えるM.2 SSD。この対策のため「MSI 200」シリーズでは、他社に先駆け専用ヒートシンク「M.2 Shield」を導入した。
メタルプレートの裏側にはサーマルパッドを貼り付け。コントローラやNANDフラッシュの熱を効率的に冷却し、サーマルスロットリングによる速度低下を抑えることができるという |
ここでは、その効果を確認するため「CrystalDiskMark 5.2.0」による高負荷テストを実施。温度と転送速度の違いをチェックしてみることにした。なお検証用のSSDにはIntel「600p」シリーズの256GBモデル「SSDPEKKW256G7X1」を使用した。
「M.2 Shield」非搭載時の「CrystalDiskMark 5.2.0:16GiB」のスコア | 「M.2 Shield」搭載時の「CrystalDiskMark 5.2.0:16GiB」のスコア |
SSDの温度(℃ / 室温18.6℃) | |
「M.2 Shield」非搭載時のサーモグラフィー | 「M.2 Shield」搭載時のサーモグラフィー |
「CrystalDiskMark 5.2.0」ではサーマルスロットリングが解消され、シーケンシャル読込の883MB/sec→1,438MB/secをはじめ、すべてのスコアで改善がみられた。温度もアイドル時で10℃、高負荷時は13℃低下し、その効果は歴然だ。さらにM.2 SSD搭載時でも、外観スタイルを統一できるのはドレスアップを検討しているユーザーには大きなメリットになる。
ちなみに「Z270 GAMING M7」に付属する「M.2 Shield」は1枚のみ。2枚以上のM.2 SSDを搭載するときのため、MSIにはぜひ単体販売を検討してほしい。
3枚のNVMe SSDを使い「M.2 Genie」によるRAID構築に挑戦 |
都合3台のNVMe SSDに対応する「Z270 GAMING M7」。IRST機能を使いRAIDを構築すれば、これまでにない超高速ストレージ環境を手に入れることができる。しかしIRSTによるRAID作成は、モードの変更やストレージのリマッピングなど、その手順はかなり煩雑。初心者には少々ハードルが高い。
そこでMSIは、NVMe SSDのRAID構築をサポートする新機能「M.2 Genie」を「Click BIOS 5」に追加した。本機能を使えば、搭載中のSSDを自動で認識し、1クリックでRAID 0環境を構築することができる。
今回は機材の関係で、Intel「SSDPEKKW256G7X1」の他、Samsung「SM951-NVMe」シリーズの128GBと256GBモデルの3枚を組み合わせているが、トラブルもなく1クリックで設定完了。転送速度もシーケンシャル読込が約2倍、シーケンシャル書込は約3倍へと大幅に高速化された。NVMe SSDによるRAID環境に興味はあったものの、手順の難しさから敬遠していたなら、「M.2 Genie」を是非試して見て欲しい。