エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.537
2017.01.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
フルHD解像度までなら、最新ゲームにも対応する良好なパフォーマンスを発揮した「GeForce GTX 1050 Ti 4GT LP」。しかし、発熱や騒音の問題を抱えていては快適なゲームプレイは望めない。そこで、ここからはオリジナルデュアルファンクーラーの実力を、ストレステスト「Fire Strike Stress Test」を使い検証していこう。なお高負荷時はテスト実行中の最大値、アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値をそれぞれ採用している。
GPU温度計測(℃ / 室温21.5℃) | |
「Fire Strike Stress Test」実行時のサーモグラフィー結果 |
今回は「GPU-Z」で正確なファンの回転数が取得できなかったものの、アイドル時は回転数が約40%、温度は27℃、高負荷時でも回転数は最高51%、温度は62℃までしか上がらず、オリジナルデュアルファンクーラーの冷却性能は優秀。サーモグラフィの画像では、冷却ファンのある表面はまんべんなく冷えており、ファンの風がヒートシンク全体に広がっている様子が伺える。また風のあたらない裏面も最高52.4℃と温度はそれほど上がらず、内部スペースに制限があるスリムケースでも発熱が問題になることはないだろう。
騒音値(dBA / 暗騒音33.1dBA) |
騒音値もアイドル時は35.1dBA、高負荷時でも+3dBAの38.1dBAで頭打ち。バラック状態でもノイズが気になることはなく、静音状態が維持できている。
最後は消費電力を確認してすべてのテストを締めくくろう。テストは先ほどと同様に「Fire Strike Stress Test」実行中の最大値を高負荷時、何もせず放置した際の最小値をアイドル時に設定。“Wattup Pro”を使用して計測している。
消費電力(W) |
TDP 91WのCore i7-7700Kを組み合わせたシステムだが、最高でも140W以下。SFX/TFX電源で主流の300Wクラスの電源ユニットであれば問題なし。カード増設による消費電力増についてはあまり気にする必要はないだろう。
Pascal初のロープロファイルモデルとして投入されたMSI「GeForce GTX 1050 Ti 4GT LP」。動作クロックやバス幅などの制限もなく、GeForce GTX 1050 TiがターゲットにするフルHD解像度までなら、重量級の最新ゲームにも対応する良好なパフォーマンスを発揮。そのサイズから懸念していた発熱や騒音面の問題もなく、MSIらしい完成度の高い仕上がりだ。
静音性・冷却性能にも妥協しないロープロファイル対応モデル「GeForce GTX 1050 Ti 4GT LP」。スリムPCを無理なくゲーミングPCへとアップグレードできる |
カード長が短く、補助電源コネクタが不要な点もスリムPCでは大きなメリット。消費電力も300Wクラスで十分まかなえることから、多くの環境で電源ユニットを交換することなく使用することができる。これまでスリムPCということで、ゲームプレイを諦めていた人にはまさに待望の一枚。また現在コンパクトケースを使用していて、ケース内のエアフローや騒音に悩まされている人にもぜひオススメしたい製品だ。