エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.539
2017.01.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
検証最後のセッションでは、「570X RGB」に搭載されたイルミネーション機能をご紹介しよう。モデル名が示すとおり、このPCケースはLEDの発光アクションが、製品コンセプトの主要な要素になっている。兄弟モデル「468X RGB」同様、フロントパネル裏には「SP120 RGB」冷却ファン3基が標準で装備される他、ボディにもLEDを内蔵。オプションパーツを取り付ける事なく、素の状態でも美しく光を放つ「魅せるPC」が完成するのだ。
「570X RGB」のアピールポイントとなるのが、フロントパネルに標準装備される120mm口径ファン「SP120 RGB」だ。これは兄弟モデル「460X RGB」にも装備されていたもので、トップパネル右にあるスイッチを押す事で、LEDカラーをホワイト、レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、パープルに切り替えが可能。さらにライティングモードもブリージング&フリッカー、スタティック、ブリージング、フリッカーの計4種類から任意選択。発光アクションも自在に楽しむことができる。
フロントLEDファンに目が行きがちだが、フロントパネル下部と、ボトムカバー側面にもLEDライティングギミックが仕掛けられている。いずれもホワイトLEDが内蔵され、通電時に発光。色変更や発光アクションは固定だが、上位機種を感じさせるアクセントになっている。
フロントパネル下とボトムカバー側面もホワイトに発光。「460X RGB」には無かった装備で、CORSAIRブランドをさりげなくアピール |
最後に市販されている「SP120 RGB」の3個入り「SP120 RGB LED Three Pack」(型番:CO-9050061-WW)を使い、トップとリアにそれぞれ120mm口径ファンを増設してみたい。ちなみに3個入りは2016年10月より国内市場での販売がスタート。標準搭載ファンと同様の製品で、回転数1,400rpm±10%、騒音値26dBA、風量52CFM、静圧1.45 mmH2O。風量がありながらも動作音は静かで、搭載テストのようにラジエターに装着しての運用も十分に役割を果たしてくれるはず。実用とドレスアップを両立した、有用なカスタマイズだけに参考にして欲しい。
「SP120 RGB」の3個入りパックは、市場想定売価税抜8,900円。なかなか豪華だが、ドレスアップ効果は抜群 |
なお製品には「LEDコントローラ」と「LEDハブ」が付属する。とはいえ「570X RGB」備え付けの「LEDハブ」には3つの空きポート(4~6番ポート)があり、ここに接続すれば発光アクションや発光色が標準搭載ファンと同期できてしまう。フロントとその他の箇所を敢えて別の色に発光させても面白いだろう。
当初、先行発売された「460X RGB」を大型化したモデルという認識だった「570X RGB」。それは単なる思い込みでしかなく、冒頭でも触れたように全くの別モノだった。多少設置場所に頭を悩ませるかもしれないが、右サイドパネル側を含めた4面強化ガラスのインパクトは、思いのほか強い。
さらに近頃のCORSAIRが得意とするRGBファンは、決してきらびやかで眩しいという事はなく、強化ガラスがほどよく光を吸収。しかし「赤は赤」「緑は緑」と発色は実に鮮やか。時流に乗じた強化ガラスとLEDファンを組み合わせた急ごしらえの製品とは明らかに違う。
最近の自作市場は普及価格帯のPCケースばかりが目立ち、2万円台後半の「570X RGB」は高額に感じるかもしれない。しかし実機に触れれば違いは明らかだ。頑丈なシャーシと、シンプルながらよく考えられた内部構造。特に露出を意識したマザーボードトレイ背面は、設計者の意図が感じられるストレージの配置と、ケーブルマネジメント機構が長けている。そして贅沢にも4面貼りの強化ガラスによる視覚的な効果は、上位機種のそれだ。
魅せるPCケースの上位機種として、「570X RGB」は最有力候補である事は間違いない。