エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.542
2017.02.13 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
配線が複雑になる前に、ストレージを搭載しておこう。2.5/3.5インチ共用トレイには、3.5インチHDDを用意。作業手順はハンドスクリューを緩めてトレイを取り出し、HDD背面4箇所をインチネジで固定。それを元に戻せばいい。なおハンドスクリューの存在から、コネクタは下方向に固定する必要がある。
共用トレイに3.5インチHDDを固定。なお2.5インチSSDは、横置きで上下各1台ずつ(計2台)が搭載できる | |
コネクタ位置を下方向に3.5インチHDDを固定。なお2.5インチSSDを搭載する場合は、最大2台までを横方向2段でマウントする事になる |
次に2.5インチ専用トレイに、SSDを搭載してみる。基本的には3.5インチHDDと同じで、底面のネジ穴を使い、4本のミリネジでトレイに固定。コネクタの向きも同様、ハンドスクリューとは逆の方向にマウントする。
ひとまわり小さな2.5インチ専用トレイだが、基本的な設計は3.5インチ用と同じ。付属のミリネジを使って固定する | |
コネクタは左向きにマウントされる。なおマザーボードトレイ背面のスペースに限りがあるため、おのずとSATAケーブルのコネクタはストレートタイプになる |
最後に「CUBE RAZER」最大の特徴と言える、LEDイルミネーションをチェックしよう。Razer監修だけあって、LED発色はいずれもグリーン。これに心引かれるRazerファンは多いだろう。
LEDが発光するのは、フロントトップ中央のPowerスイッチ外周、フロントパネル中央のRazerロゴ、そしてボトム部両サイドに装着されたLEDライトバーだ。発光は基本的にPowerスイッチ連動だが、リアのバックパネルI/O右横には丸型のボタンを用意。LEDライトバーの発光がON/OFFできる。
バックパネルI/Oの右横にある丸型のボタン。このスイッチでボトム部両サイドに搭載されたLEDライトバーの点灯・消灯ができる |
“Razerグリーン”は鮮やかだが、フロントの”三つ首のヘビ”やPowerスイッチ外周の発光はほどよく、眩しいとは感じない。ボトム部のLEDライトバーは乳白色のプラスチックカバーにより、足下を淡くグリーンに照らす。いずれもよく”監修”されており、単なる発光ではなく、質の高さを感じるものだった。ただしアクリルウインドウのスモークがやや強く、ここは好みが分かれるところかもしれない。
ゲーミング志向のPCパーツを揃えると、おのずと筐体内部は賑やか。アクリルウインドウのスモークは、全体の輝度を落ち着かせる役割を果たしている |
“ゲーマー向け”と呼ばれるPCケース。何か特別なように聞こえるが、さてどこが”普通の”PCケースと違うのだろうか。その昔、いかついフロントフェイスとLED内蔵ファンを組み合わせれば、ゲーマー向けPCケースの完成。製品サイトもそれらしく、僕らも「そうなのか」とあまり疑問に感じなかった。しかし今の自作PC市場は成熟し、ユーザーの目や声は一層厳しい。
そもそもスペックを要求するのはゲームを楽しむユーザー(人間)ではなく、ゲームタイトル(ソフトウェア)だ。CPUの処理能力であり、グラフィックスカードのパフォーマンスも重要。メモリやストレージも余裕が欲しい。さらに安定動作には高品質な電源ユニットも必要だし、冷却能力と静音性のバランスがとれた水冷ユニットもいいだろう。とどのつまり「全部じゃないか」となるワケだが、ストレス無くゲームを楽みたいなら、いずれも妥協はできない。
今回の取り上げた「CUBE RAZER」は、ゲーミングデバイスメーカーRazer監修による、コラボレーションモデル。製品コンセプトは高いスペックが要求されるゲーミングPCケースで、これをMini-ITX規格のコンパクトサイズに収めようというものだ。
限られた内部容積ながら、Antecの設計により各構成パーツは上手にレイアウトされている。グラフィックスカードの搭載スペースは最大350mmまでをサポート。ハイエンド志向の高出力電源ユニットに対応する奥行き200mmまでの搭載スペース、そして高さ190mmまでのCPUクーラー搭載エリア。どれをとってもATX規格のミドルタワーPCケースと肩を並べる。
一方、外観はアルミニウム製外装パネルはいかにも剛性が高く、大胆に傾斜したフロント/リアパネルの攻めたデザイン、さらにRazerによるLEDイルミネーションギミックによる演出は、このPCケースにマッチしている。少々高値の価格設定が気になるものの、「Antec好き」で「Razerファン」なら気にしない。Razerのゲーミングデバイスを周囲に並べれば、あとは存分にゲームを楽しむだけだ。