「Ryzen」そして「Vega」に続く期待の年
敢えて今さらながら検証を行った「NITRO+ RADEON RX 480 8G OC」。その高いポテンシャルは、現行主力モデルたる説得力を十分に体感できた。Radeon RX 480登場から半年以上が経過した今、世代交代の時が近付いている事は、近頃のこなれた売価設定が物語っている。最後にSAPPHIREのSteve氏、そして国内正規代理店アスクの深江氏に、今後のスケジュールを聞いた。
- 編集部
グラフィックスカード市場全体では「Radeon」が苦戦しています。これについて、どう考えますか。
- Steve氏
これはSAPPHIREの問題ではなく、AMDの問題です。
- 深江氏
状況的にはCPUと似ています。Core i7に匹敵するモデルがないのと同様、GeForce GTX 1080と正面から競えるGPUがない。IntelやNVIDIAのように、柱になるハイエンドモデルがあり、ミドルレンジ以下の製品を牽引していくのが理想です。そんな中「Radeon RX 480」は十分に健闘していると思います。
- 編集部
「Radeon R9 Fury/Nano」はいかがでしょう。
- 深江氏
HBMメモリのコンセプトは面白かったかもしれませんが、市場にはマッチしませんでした。パフォーマンスはさておき、売り手としてハイエンドグラフィックスカードなのに搭載ビデオメモリの容量が少ない、という点は痛かった。ただし「Vega」ではこのあたりも改善されるはずです。
- 編集部
やはり次世代GPU「Vega」に対する期待度は大きいですね。
- 深江氏
それはもちろん。大きなキッカケとして「Vega」には非常に期待しています。さらにAMDからは次期CPU「Ryzen」が発売されます。基幹となるCPUやマザーボードのフルモデルチェンジは、「Vega」にとっても大きな援護になる。「Vega」と「Ryzen」の相乗効果を期待しています。
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今のところ「COMPUTEX TAIPEI 2017」開催前後の登場が有力視されている「Vega」。業界関係者からの期待する声は多い
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- 編集部
「Ryzen」の話題が出たので、聞かずにはいられません。2017年の第1四半期中の出荷とアナウンスされています。
- 深江氏
詳細についてはまだお話できませんが、今のところ順調のようです。マザーボード各社が用意しているラインナップも多く、本気度が伝わってきます。まずは「Ryzen」でベースを整えたところで「Vega」の登場という流れですね。
- 編集部
今後の展望を聞かせてください。
- Steve氏
2017年はAMDにとって重要な年です。SAPPHIREとしても「Ryzen」そして「Vega」の登場により、非常にポジティブな1年になると期待しています。
- 深江氏
SAPPHIREのRadeon RX 480搭載モデルは、今後は価格全体を下げる方向で努力をしていきます。具体的にはGDDR 8GBで税抜3万円をターゲットにしたい。弊社を含め、GeForceはどこも軒並み値上げ中ですが(笑)。2017年は、AMDファンにとって注目の年になりますよ。
協力:SAPPHIRE TECHNOLOGY LIMITED
株式会社アスク