エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.544
2017.02.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最後にオーバークロックによって消費電力がどの程度増加しているか確認しておこう。計測は「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
「Load Optimized CPU OC Setting」では、CPUの倍率は負荷に応じて変動するが、コア電圧は固定となるため、アイドル時は定格から約6W増加。とは言え、このクラスのシステムを使用する上では誤差の範囲。大きな問題にはならないだろう。また高負荷時は4.6GHz駆動でも約14W、5.0GHz駆動では約40Wと比較的大きな差がついた。12フェーズにおよぶ電源回路を搭載する「Z270 Taichi」では、まだまだ余裕があるため、テスト中の動作も安定していたが、CPUの冷却はシッカリと行う必要がある。
スマッシュヒットとなった「X99 Taichi」の正統後継として、満を持して登場した「Z270 Taichi」。先代同様”オールラウンダー”らしい多機能ぶりを継承。各社フラッグシップと比較しても、その違いはThunderbolt 3や4-Wayマルチグラフィックスなど、エンスー向け機能のみ。USB3.1 Gen.2やIntel製デュアルギガビットLAN、IEEE 802.11ac無線LANなど、コンシューマー向けに普及している最新機能はすべて網羅されている。
さらにNVMe SSDインターフェイスとして、M.2(Ultra M.2)を3スロット備えるのもポイント。最も標準的なM.2タイプのNVMe SSDを使い、信頼性と高速転送を両立したRAID 5環境を構築できるのは大きなメリットになる。
各社フラッグシップとの違いは一部のエンスー機能のみ。Kaby Lake世代のオールラウンダーの名に恥じない1枚だ |
Kaby LakeおよびIntel 200シリーズがメインストリーム向けプラットフォームということもあり、「X99 Taichi」に比べると価格面でのインパクトはやや薄れたが、搭載機能や高品質設計を考えればコストパフォーマンスは良好。1台であらゆる作業を行いたいという、欲張りなニーズにシッカリと応えてくれる完成度の高い1枚だ。