エルミタ的「編集部で使ってみた」
2017.03.01 更新
文:360度カメラライター 西條 結城
次にそれぞれの360度動画のうち、カーテン部分に注目。動画を切り出し検証してみた。結果は解像度が一番高い「Insta360 Nano」は明らかに画質が良い事が分かった。
「RICOH THETA S」は1920×960ピクセルという低い解像度により、動画全体がボンヤリして見える。全体の色合いやステッチの調整が優れているだけに解像度の低さがとても残念である。
2560×1280ピクセルの「LG 360 CAM」は「RICOH THETA S」より少しだけ解像度が高い。「RICOH THETA S」よりカーテンの輪郭がはっきりと感じられる。
「Insta360 Nano」の解像度は一番高く3040×1520ピクセルある。カーテンの質感がはっきりとわかる。「RICOH THETA S」の解像度を高めた画質のようだ。
動画ではステッチ部分がまったくわからない「Insta360 Nano」は、コマ送りでステッチのズレが見えてくる。「RICOH THETA S」は逆にコマ送りするとステッチ部分がまったく見えなくなった。各社ステッチ技術の違いがわかる。
「RICOH THETA S」のステッチはとても良質だ。動画ではステッチ部分が一瞬だけ見えるが、コマ送りでみるとほぼわからない。頭と肩の部分に一瞬だけステッチのズレが見える。
「LG 360 CAM」は、ステッチが甘く動画再生でもコマ送りでも、明らかにズレが見える。3機種の中では著しくステッチの性能が低い。カメラの性能に加えてソフトウェアの性能も重要だ。
「Insta360 Nano」は、動画ではまったくステッチがわからない。コマ送りで動画のブレのようなステッチ部分が見えてくる。ステッチのズレを動画の動きに合わせることで、高い品質を実現しているのかもしれない。