エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.548
2017.03.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最後に消費電力の違いを確認しておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した中で最も低い数値を、高負荷時は「OCCT 4.4.2:POWER SUPPLY」テストを実行した際の最高値をそれぞれ取得している。
消費電力(W) |
アイドル時はいずれの環境でも省電力機構が働くため、その違いは3W未満とごくわずか。一方、高負荷時は「Celeron 3900T」の74.2Wに対して、「A68N-5745」は60.4Wで、公称TDP以上の差がついた。ちなみに今回は電源ユニットに80PLUS BRONZE認証の150Wモデルを使用しているが、より高効率な製品やACアダプタを組み合わせてやれば、さらに消費電力を抑えることができる。
以前は非力な印象が強かった省電力向けプロセッサ。近頃では着実に進化を遂げ、Intel Braswell以降ではWebブラウジングやオフィスアプリなど、ライトな作業であればそれほどストレスなくこなすことができるようになった。だが、依然としてデスクトップ向けCPUとの溝は大きく、特にGPUの性能が重要になるアプリケーションやゲームではその傾向が顕著だ。
デスクトップ向けローエンドを超えるグラフィックス性能を実現したBIOSTAR「A68N-5745」。省電力モデルとしては拡張性も良好なことから、幅広い用途で利用できる |
しかし今回検証したBIOSTAR「A68N-5745」では、Radeon HD 8610Gを内蔵する「A10-5745」を採用することで、その弱点を克服。GPU性能は、ローエンドながらデスクトップ版Skylakeを上回り、設定次第ではフルHD解像度でも3Dゲームをプレイできるレベルまで引き上げられている。
またこのクラスでは珍しいRAID対応のSATA3.0(6Gbps)ポートや、デュアルチャネル対応のDDR3スロット、計4ポートのUSB3.0など拡張性も良好。CPU性能に過度の期待は禁物だが、これまでの省電力プラットフォームとは一線を画するPCを構築することができるだろう。