エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.549
2017.03.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
実動テストの最後には、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を実行する。設定プリセットはDirectX 11モードの「最高品質」を選択しつつ、GTX 1070の機能である「Dynamic Super Resolution(DSR)」を有効にした上で、3,840×2,160ドットの解像度で検証を行った。ちなみに最大消費電力は320Wだ。
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」による各電圧の変化 | |
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」による各電圧の最大/最小/平均値 |
今回のテストのみ、わずかに+12Vに変動が見られた。ただし最大/平均値の差はわずか0.002Vで、その瞬間以外は常時最大値に貼り付くフラット動作。+3.3Vも0.013Vの変動があったものの、テストを通してどの電圧も常時安定してブレなく出力されていることが分かった。
80PLUS GOLD認証モデルに「V Semi-Modular」シリーズという大ヒット作を抱えるCooler Master、電源ユニットのカテゴリでは最有力のメーカーと言っていいだろう。そのブランドから登場した超弩級の高級モデル「MasterWatt Maker 1200 MIJ」は、期待を上回る出来栄えだった。日本製コンデンサの採用はもはや珍しくはない電源ユニットにあって、現状唯一の完全なるMade in Japan製品。しかも世界に知られた村田製作所が自作PCのATX電源を手がけるという、異色かつ贅沢極まるコラボレーションには驚かされた。「最高の品質」を求めて妥協なしに作られただけあって、コンシューマの領域を超えた安定動作には、どんなエンスージアストも満足できるに違いない。
まさかの村田製作所が作った、極上のATX電源「MasterWatt Maker 1200 MIJ」はもうすぐ店頭に。信頼性も段違いなら価格も桁外れ、とんでもない電源ユニットが誕生したものだ |
もっとも、コスト度外視の贅沢な仕様に由来する、桁外れのプレミア価格がネックであるのは当然のこと。そもそも1000W以上のTITANIUM認証モデル自体が貴重(かつ高価)なワケだが、他のモデルの2倍以上の価格とあっては、おいそれと手が出せるシロモノではない。要のパーツである電源ユニットには最上の信頼性が欲しい、そしてそのための出費は惜しまないという、選ばれしエリートユーザーのための特別モデルというワケだ。
とはいえ、この「MasterWatt Maker 1200 MIJ」は、電源ユニットというカテゴリにおける記念碑的なモデルになることは間違いない。現時点では4月中旬頃に数量限定で発売予定とのこと。常識はずれの超弩級モデルはもうすぐ店頭にやってくる。