エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.551
2017.03.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
「DiskStation DS216j」(型番:DS216j) 売価税込20,000円前後(2016年3月発売) 製品情報(Synology) |
ネットワークに接続して利用する外付けHDDことNAS。ファイルの保存や共有ができるほか、ネットワーク経由でPCはもちろん、スマートフォンやタブレットからもアクセスが可能。もともとビジネス向けの周辺機器というイメージが強かったが、最近ではホームユースでの利用を想定した製品が数多く流通している。
これはデジカメの高解像度画像を誰でも扱うようになり、加えて4Kをはじめとする、動画データの普及も背景にあるのだろう。ネットワーク環境さえ整っていれば、初期投資だけで済むNASは、実に便利に使う事ができる。これを知らずしてはもったいない。
さて今回の主役、Synology「DiskStation DS216j」(以下:DS216j)は、増え続ける身の回りのデータを大容量ストレージで格納できる、2ベイタイプのホームユース向けNASシステムだ。もちろんデータ保護における最もポピュラーな手段であるRAID構築も可能。常にデータをバックアップしておけば、万一HDDが故障しても、データだけは無事で済むというワケだ。
なお、国内主要メーカーから発売されているNASの多くは、HDDが標準で搭載されている。一方、SynologyのNASはキット形態で販売されているため、内蔵HDDは好みのモデルが選択できる。NASキット本体と、HDD×2台を購入するため、それなりに出費はある。ただし自由に大容量ストレージがチョイスできるNASキットのメリットは大きい。
2000年に設立されたSynologyは、性能と信頼性に優れ、環境にやさしいNASをスローガンに、企業から個人向けまで幅広い製品をラインナップ。大規模企業向け「FS/XS(+)」シリーズをはじめ、小規模および中規模企業向け「Plus」シリーズ、ホーム/ワークグループ向け「Value」シリーズ、そして個人/ホーム向け「J」シリーズの4種類で構成。合計31機種(2017年3月現在)を用意する。
ちなみに今回取り上げる「DS216j」は、個人/ホーム向け「J」シリーズの2ベイモデル。2014年12月から販売が開始された「DiskStation DS215j」の後継製品だ。その違いは内蔵プロセッサ。「DS215j」のMarvell「Armada 375 88F6720」(デュアルコア 800MHz)を、Marvell「Armada 385 88F6820」(デュアルコア 1.0GHz)に強化。外部インターフェイスもUSB3.0×1、USB2.0×1から、USB3.0×2に変更されている。
ちなみに「DS216j」の上位機種もご紹介しておこう。企業向け「Plus」シリーズに属する「DiskStation DS216+II」は、CPUにIntel「Celeron N3060」(デュアルコア 1.6GHz/ブースト時2.48GHz)を搭載。メインメモリは「DS216j」のDDR3 512GBに対し、DDR3 1GBで、4K Ultra HDに対応したビデオコード変換機能やハードウェア暗号化エンジン(AES-NI)をサポート。より高性能でセキュアなモデルだ。
企業向けを意識したブラックボディの「DiskStation DS216+II」。HDDはネジレスのカートリッジ式を採用し、フロントから容易にアクセスできるのも特徴 |