エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.555
2017.03.31 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最後に手動オーバークロックによって、どの程度消費電力が増加しているのか確認していこう。計測は「CINEBENCH R15」実行時における最高値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
消費電力(W) |
コア電圧を固定しているため、アイドル時でも約15W、高負荷時は約55Wと大幅に消費電力が増加した。「X370 Gaming K4」では、デジタル制御の12フェーズ電源回路を搭載しているため、特に不安定な挙動を示すことはなかったが、Ryzenである程度以上のオーバークロックを目指すなら、電源回路がシッカリとしたマザーボードを選択する必要がある。
AMDより、満を持して投入された新CPU Ryzen。今回のテスト結果を見る限り、最大のネックであったIPCは大幅に改善。コア数も8コア/16スレッドに対応し、これまで独壇場だったIntelのハイエンドCPUと十分渡り合うことができるパフォーマンスを実現している。さらに最上位のRyzen 7 1800Xでも60,000円強、最も安価なRyzen 7 1700なら40,000円強で購入でき、“速くて安いAMD”の復活を強く印象付ける製品だ。
ハイエンドマザーボードに匹敵する機能を搭載する「Fatal1ty X370 Gaming K4」。コストを抑えつつ高性能なPCを作るにはまさにうってつけの1枚だ |
そんなRyzenの魅力を最大限に引き出すにはマザーボードのチョイスも重要。その点、今回検証した「Fatal1ty X370 Gaming K4」なら、最高2,933MHzまでのDDR4メモリや、帯域幅32Gbpsの「Ultra M.2」スロット、USB3.1 Gen.2ポートなど最新インターフェイスを網羅。またオーバークロックにも耐えられる堅牢な電源回路、低負荷・低遅延なIntel製ギガビットLAN、高品位なオーディオ回路など細部まで抜かりはない。
Ryzenの登場を心待ちにしていたAMD派はもちろん、これまで性能や機能面からAMDプラットフォームを敬遠していた人も、ぜひ「Fatal1ty X370 Gaming K4」を使い、高性能かつコストパフォーマンスに優れるPCの構築に挑戦して欲しい。