エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.556
2017.04.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
それでは、「GA-H110MSTX-HD3-ZK」を実際に動作させた際の挙動をベンチマークテストで確かめてみよう。テストでは定番の「CINEBENCH」を動作させ、CPUパフォーマンスをチェックする。
CINEBENCH R15 |
さすがにデスクトップ向けのCPUが搭載可能なMini-STXマシン、デスクトップPCそのままのCPUパフォーマンスを発揮している。グラフィックスを必要としないタスクなら、一線級の活躍が可能だ。
もっとも今回は推奨TDPをオーバーしたCore i7-7700搭載でのテストのため、常用するならTDP35W級のCPU(Core i7-7700Tなど)を組み込もう。
デビューから半年あまりが経ったMini-STX、これまでもマザーボードや対応ケースといった関連製品が複数リリースされ、ラインナップも徐々に賑わってきた。しかし圧倒的に人気を集めているのは、やはり一揃いがお手頃価格で手に入るベアボーンだ。第2弾モデルとして登場した「GA-H110MSTX-HD3-ZK」も実勢18,000円前後と格安なため、よほどのこだわりがなければ、ベアボーン購入が最もコストパフォーマンスに優れている。その新しい選択肢が、信頼性に定評のあるGIGABYTE製品という点も好印象で、今後も続々と魅力的なベアボーンが登場することに期待したい。
2リットルサイズでデスクトップ級のパワーを実現する、待望のMini-STXベアボーン第2弾。性能はもちろん十分な拡張性があり、値ごろ感もある。新しい注目の選択肢が加わった |
また、「GA-H110MSTX-HD3-ZK」のベアボーンとしての完成度もさすが。極小サイズでデスクトップ級のパフォーマンスという、Mini-STXのコンセプトを見事に満たしている。M.2を絡めたトリプルドライブ構築も可能で、2リットル筐体ながら余裕のあるAkasa製ケースとのマッチングも良好。組み込みが必要な点は多少面倒にも思えるが、そもそもベアボーンは最低限の組み込みが前提であり、デメリットと言うほどでもない。丁寧な組み込みマニュアルも付属するため、自作初心者向けの入門機にもピッタリだろう。
なお、ACアダプタの都合上、TDP35W級のCPU搭載が推奨される点には留意しておきたい。一応大容量ACへの交換でクリアできる問題ではあるものの、ここはスモールフォームファクタの本分である、省電力志向のマシン構築追求がオススメ。小さくエコでデスクトップ級のパワーもある、そんなMini-STXマシンを「GA-H110MSTX-HD3-ZK」で組み上げよう。