エルミタ的一点突破 Vol.44
2017.04.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
0.4mm厚の放熱フィンが積み重なる様は、ヒートパイプによって作り上げられている。このカタチは鍛造または鋳造で製造されたヒートシンクをのぞき、ヒートパイプ無くしては成り立たない。
「Contac Silent 12」では計43枚の放熱フィンに、φ6mmヒートパイプが4本貫通。受熱ベース部よりCPUの熱を吸い上げ、ヒートシンク全体に拡散させる”橋渡し役”を担当している。素材は銅製で、腐食防止効果だけでなく、見た目にも美しいニッケルメッキ処理が施されている。
標準的な直径6mmの銅製ヒートパイプは”Uの字”に曲げ加工。2本1組みで貫通位置をずらし、熱移動効率を高めている |
受熱ベース部は、実測で幅約48mm、高さ約35mm。ここにφ6mmヒートパイプが4本並び、CPUと直接接触する「ヒートパイプ ダイレクトタッチ テクノロジー(Heat-pipes Direct Touch Technology)」を採用。熱移動速度を高める効果が期待できる。
なおCPUとは接触しない反対側は、凹凸がつけられたヒートシンク形状。こんなところからも、放熱の効率を少しでも高めようという意図をくみ取ることができる。
4本並んだヒートパイプは、受熱ベースに合わせて綺麗にカット。凹凸のあるヒートシンク形状の上面は、最厚部が約10mm、再薄部が約3mmだった |
標準搭載される冷却ファンは120mm口径。LED発光ギミック等は装備されない、オーソドックスなスタイルだ。インペラはホワイト、フレームはブラックで、Thermaltakeらしいカラーリングが特徴。ベアリングは静音性を向上させるハイドロリックベアリング方式を採用する。
スペックを確認すると、回転数は500~1,500rpmのPWM対応可変式。騒音値は最小で28.8dBA、風量は最大74.33CFM、静圧は1.68mm-H2Oとされる。なおスタートボルテージは比較的値が大きい9.0Vに設定されている。また製品には「LNCケーブル」(Low-Noise Cable)が付属し、回転数を400~1,100rpm(騒音値最小22.1dBA)に抑え込む事ができる。