エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.560
2017.04.27 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ベンチマークテストが一段落したところで、次は「GeForce GTX 1080 Ti GAMING X 11G」動作中の挙動を冷却面からチェックしてみよう。果たして「TWIN FROZR VI」は高負荷時にでのように働いているのか、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の4K動作時の最大値を「高負荷時」、10分間何もせず放置した際の最低値を「アイドル時」と設定。「GPU-Z」を使用してGPU温度とファン回転数を計測した。
GPU温度計測(度) | |
ファン回転数計測(rpm) |
アイドル時はすべてのモードで動作クロックが横並びになり、ファンも回転しないため数値に違いはない。その一方で高負荷時の動作は見もので、動作クロックが変わってもGPU温度は72度前後、ファン回転数のみ緩やかに上昇している。MSIのオーバークロッカー御用達ツール「Afterburner」を使えばファン回転数も容易にカスタム可能だが、標準では72度前後を維持しつつ、最適な回転数で動作しているようだ。ファンの回転数は60%ほどと、まだまだ冷却能力にも余裕を残している。
最後は、それぞれのモードで「GeForce GTX 1080 Ti GAMING X 11G」が動作していた際の消費電力をチェック、検証を締めくくろう。先ほど同様に「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を実行し、4K解像度での最大値を「高負荷時」、10分間何もせず放置した際の最低値を「アイドル時」に設定。ワットチェッカーを使用して計測を行った。
消費電力計測(W) |
もう少し差が出るかと思いきや、アイドル時と高負荷時ともにあまり大きな違いはでなかった。動作クロックの違いがベンチマークテストで有為な差を生んでいただけに、極めてバランスのいいチューニングが施されているようだ。システム全体でも400W以下に収まっており、電源に余裕があるなら、さらなるオーバークロックに挑戦するのもアリだ。
さすがはTITAN X超えの実力をもつGeForce GTX 1080 Ti搭載カードとあって、印象的なパフォーマンスを見せてくれた。発売からたちまちハイエンドラインの売れ筋になったのも納得、重量級ゲームを高解像度かつ最高画質で楽しみたいなら、是非とも手に取りたいGPUといえる。
その点で、MSI自慢の高性能クーラー「TWIN FROZR VI」を装備した「GeForce GTX 1080 Ti GAMING X 11G」は、他のモデルから頭一つ抜け出す注目株だ。歴代シリーズを知るユーザーの期待を裏切らない、卓越した冷却パフォーマンスは健在。GeForce GTX 1080 Tiに最適化され厚みは増したものの、極静音で動作しつつ十分な冷却のマージンを確保する、空冷最高峰の実力をもっている。
待っていた人も多いはず、静音・高冷却クーラー「TWIN FROZR VI」搭載のGeForce GTX 1080 Tiグラフィックスカード。OCのポテンシャルにも期待がかかる、最強の装備をもった1枚だ |
そしてその余裕の冷却能力を生かした、さらなるオーバークロックのポテンシャルにも大いに期待。軍用基準を満たす「ミリタリークラス4コンポーネント」や堅牢な電源回路など、多少のムチャを許容する最強クラスの装備を備えている。やや高めな価格設定もご愛嬌、何より性能を重視するエンスージアストにこそ相応しい1枚だ。