エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.564
2017.05.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
冷却性能はもちろんだが、「Silent Storm Cooling」の静音性能もチェックをしておかねばならない。そこで実使用を想定し、本体より30cm離れた場所にデジタル騒音計を設置。温度計測と同じく、「3DMark」「Unigine Heaven DX11 Benchmark」「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」実行時のノイズ計測を行った。
【騒音値】(dBA/室内騒音30.6dBA) |
室内騒音30.6dBAに対して、アイドル時は32.6dBA。低負荷時にはファンの動作を停止する「Zero Frozr」に対応するため非常に静か。各ベンチマークテスト中でも34.5~35.8dBAとほぼ上昇していない。動作音の変化は耳をすましてようやく感じるレベルだった。
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認しておきたい。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「3DMark」「Unigine Heaven DX11 Benchmark」「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値を記載した。
消費電力(W) |
アイドル時は27.7Wと非常に低い。さらにグラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」では186W、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」時では197Wと、それなりに上昇しているが、いずれも気になるレベルではない。
コンシューマゲーム機サイズの筺体に、自作市場で最新のパーツをギュッと詰め込んだ「Trident 3」。長年にわたり、マザーボードやグラフィックスカード、さらにMSIが近年注力しているゲーミングノートで培った技術を、存分に生かしたデスクトップマシンに仕上げられている。特に性能面では「Silent Storm Cooling」の採用により、パフォーマンスを犠牲にせず実現した冷却性能と静音性は、検証結果の通り極めて優秀だった。
ミドルレンジクラスのGeForce GTX 1060搭載モデルとあって、必ずしもゲーミングPCとして万能とは言えない。ただしVRをはじめ、多くのゲームタイトルで高画質環境による快適なプレイが可能。なおMSIからは、将来的にGeForce GTX 1070搭載モデルの投入も予告されている。そちらを期待する人もいるだろう。
日常的にゲームをしない筆者でも、パワフルなパフォーマンスには非常に魅力を感じた。ただし税込198,000円という価格設定は、判断の分かれるところではないだろうか。