エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.569
2017.05.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
最後は、実際のゲームプレイを想定したベンチマークテストとして、4月に公開が始まった「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」を実行する。設定プリセットは「最高品質」を選択しつつ、GTX 1080 Tiの機能である「Dynamic Super Resolution(DSR)」を有効にした上で、3,840×2,160ドットの解像度で検証を行った。動作中の消費電力は411W。
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の変化 | |
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」による各電圧の最大/最小/平均値 |
波形に動きがあるのは+3.3Vくらいで、それ以外は常にフラットで安定した挙動をみせてくれた。また、すべてのテストにおいて、システムにとって最重要の+12Vは最大・最小差が0.096Vになるなど、一貫性のある動作はさすが。奇抜なデュアルファンデザインが目を引く「Revolution DUO」だが、電源ユニットの本分である信頼性は本物といえる。
かつて電源ユニットといえば、吸気と排気用のファンを備えたデュアルファン構成こそがスタンダードだった。それが大口径のシングルファンを備えたセミファンレス対応モデルに取って代わられて久しいが、そんな時代に現れた「Revolution DUO」は、トレンドに逆行する異端の存在といえる。ところが小口径デュアルファン構成で最もネックになっていた騒音問題が解決すると、にわかにこの設計のメリットが際立ってくる。
現行の進歩した冷却ファンを用いて、単独エアフローのデュアルファン電源を作ったらどうなるか。ENERMAXの古くて新しい野心作は、“確実な冷却”を欲しがるユーザーに打ってつけの1台だ |
単独でエアフローを作り出せる「DUOFlow」デザインは、“確実な冷却”という点において極めて優秀な構造。さらにファンの回転を止めない常時稼働の仕様もまた、ファンレス状態を避けたいユーザーのニーズにマッチしている。実際にアキバ店頭でも、ベテラン・古参スタッフを中心に「(電源のファンは)ゆっくりでいいから、常に回転してほしい」という声は意外なほど多い。
さらにユーザーが任意で冷却性能をブーストできる、ファンコン機能の「FMA」も魅力的な機能。さすがに回転音勇ましい最大風量で動かすシーンはほとんどなさそうだが、いわば“強制冷却”の機能を頼もしく思うユーザーはいるハズ。冷却と信頼性にフォーカスした電源ユニットとして、期待を裏切らない働きをみせてくれるだろう。