エルミタ的一点突破 Vol.45
2017.05.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
ここからは、Ryzenシリーズの最上位Ryzen 7 1800Xを使い、Noctua「NH-D15 SE-AM4」の冷却機器としての実力を検証していこう。ファンの回転数はUEFI上の標準設定(Normal)を選択し、回転数は“通常回転”の他、「Low-Noise Adaptor」(L.N.A)で回転数を落とした状態でも測定を実施。また動作クロックは“定格”と、電圧を1.44350V、クロックを4.00GHzにオーバークロックした状態でも行った。なおCPUの温度はマザーボード付属のユーティリティで測定。アイドル時は起動直後10分間放置した際の数値、高負荷時は「OCCT 4.5.0」を動作させ30分経過した際の数値をそれぞれ採用している。なおテスト環境の詳細構成は以下の「テスト機材構成表」を参照頂きたい。
テスト用のCPUにはRyzen 7 1800Xを使用。高負荷時はおおむね3.70GHzで動作(画像左)。また手動で4.00GHz(画像右)にオーバークロックした状態でも測定を実施した | |
いつも使用している「HWMonitor」でCPUの温度が取得できなかったため、今回はマザーボード付属のユーティリティ「ASRock F-Stream」の数値を採用した |
CPU温度/通常回転(室内温度22.4℃) |
まずは「L.N.A」を使用しない通常回転時の温度を確認していこう。アイドル時は室温+約6℃の28℃、高負荷時でも47℃までしか上がらず、Ryzenシリーズ最上位モデルの発熱を完全に押さえ込むことができる。また定格に比べて消費電力が約70W増加する4.00GHz駆動時でも高負荷時の温度は63℃前後。スパイク値も65℃を超えることはなくかなりアグレッシブなオーバークロックでも冷却性能が不足することはないだろう。
CPU温度/L.N.A使用時(室内温度22.4℃) |
続いてファン回転数を減速する「L.N.A」使用時の冷却性能を確認すると、アイドル時は完全に冷却性能が飽和しており、通常回転と同じ28℃。高負荷時も定格駆動では+2℃の49℃までしか上がらず、大きな違いはない。一方4.00GHz駆動時は通常回転から+6℃の69℃まで温度が上昇。オーバークロック状態で常用するなら通常回転での使用をオススメする。