エルミタ的「編集部で使ってみた」
2017.06.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからは実際にAwesome「AWD-MCS01B」をSSDに搭載し、ベンチマークテストを実施。その冷却性能を確認する |
外観のチェックが終了したところで、ここからは「CrystalDiskMark 5.2.1」を使い、Awesome「AWD-MCS01B」の冷却機器としての実力を検証していこう。テストに使用するSSDはIntel「600p」シリーズの256GBモデル「SSDPEKKW256G7X1」で、テスト中の温度と転送速度は「HWiNFO64」を使い計測した。なおテスト環境の詳細は、以下の「テスト機材構成表」を参照頂きたい。
標準状態の「CrystalDiskMark 5.2.1」スコア | 「AWD-MCS01B」搭載時の「CrystalDiskMark 5.2.1」スコア |
標準状態の温度と転送速度の推移 | |
「AWD-MCS01B」搭載時の温度と転送速度の推移 |
標準状態ではアイドル時でも40℃半ばまで温度が上昇するが、「AWD-MCS01B」搭載時は30℃半ばで推移し、その差は約10℃。さらに「CrystalDiskMark 5.2.1」を開始すると、標準状態ではデータの準備時から一気に温度が上昇し、シーケンシャルテスト開始時には75℃を計測。サーマルスロットリングによって発熱が抑えられるため、これ以上の温度上昇はないが、シーケンシャル読込は1,100MB/sec台で頭打ちとなる。
一方「AWD-MCS01B」搭載すると温度上昇が緩やかになり、今回の最高温度は55℃。頻発していたサーマルスロットリングは解消され、9回のベンチマークテストによるスコアのブレもほとんどなくなった。実際の作業でこれほどストレージに負荷が掛かる状態が稀であることを考えれば、M.2 SSDの発熱を完全に押さえ込むことができるだろう。
その見た目通り、優れた冷却性能を発揮したAwesome「AWD-MCS01B」。今回の検証では、SSDの温度は実に20℃も低下し、標準状態で頻発していたサーマルスロットリングを完全に解消。常に安定したパフォーマンスを発揮できるようになった。またサーマルスロットリングのしきい値が高く、標準のままでもパフォーマンスが低下しない製品に使用した場合でも、冷却性能の強化による耐久性・信頼性への影響は確実にあるだろう。
冷却性能・扱いやすさとも問題なし。注意するべき点はグラフィックスカードなど、拡張カードや周辺コンポーネントとの干渉問題だけだ |
装着時の全高は約13mmのため、一般的な直付けヒートシンクに比べると使用できる環境はややシビア。とは言え、PCI-Express変換カードタイプのように拡張スロットを専有することはなく、コスト面でもかなり有利だ。さらに直付けタイプでは珍しいブラケット固定のため着脱が簡単に行え、M.2 SSDを買い替えた場合でも無駄にならないのも、頻繁にシステムを更新するユーザーには嬉しいところ。現在NVMe M.2 SSDを使用している、または今後導入を検討しているならぜひ購入をオススメしたいアイテムだ。