エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.575
2017.06.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
HIS「RX580 IceQX2 OC 8GB」(型番:HS-580R8LCBR) 実勢売価税込32,000円前後 製品情報(HIS)(株式会社アイティーシー) |
4月に発表された、「Radeon RX 500」シリーズの最上位GPU「Radeon RX 580」。「Radeon RX 400」を“リファイン”した、第2世代のPolarisアーキテクチャが採用されている |
本題に入る前に、まずは「RX580 IceQX2 OC 8GB」が搭載するGPU「Radeon RX 580」について、軽くおさらいしておきたい。2016年に登場した「Radeon RX 400」シリーズに続く第2世代のPolarisアーキテクチャが採用され、14nm FinFETプロセスのストリームプロセッサ2,304基を搭載。GPUコアの基本設計は前世代のRadeon RX 480と同等で、大きな技術的変更はないものの、動作クロックの引き上げで性能向上を実現している。
動作クロックはベースクロック1,257MHz、ブーストクロック1,340MHz、メモリクロックが8,000MHz。メモリバス幅は256bitで、最大GDDR5 8GBのビデオメモリを実装する。なお、クロックアップによって順当に消費電力が増加しており、補助電源コネクタは8pin×1に増強された。
2世代前などの“Old GPU”からリプレイスを狙う。最新ゲームをよりリッチな解像度でプレイ可能で、VRにも対応。消費電力を効果的に抑制する「Radeon Chill」などの機能も搭載している |
また、AMDは「Radeon RX 500」シリーズの発表に際し、「世界のPCゲーマーの80%前後が、2世代前かそれ以前のGPUを使用している」との分析を披露。メインストリーム向けをターゲットにした「Radeon RX 500」シリーズは、それらのユーザー層に対し、グラフィックス環境のアップグレードを促すGPUというスタンスを示している。特に「Radeon RX 580」の場合は、Radeon R9 380比で約1.8倍のパフォーマンス向上を実現。Radeon R9 300シリーズや同世代GPUのユーザーにとって、有力な乗り換えの選択肢になってくれそうだ。
「Radeon RX 500」シリーズ最上位のRadeon RX 580を搭載する、HIS「RX580 IceQX2 OC 8GB」。オリジナルクーラーを装備したカスタムモデルの中でも、最安クラスの価格設定が魅力だ |
ここからは、いよいよ今回の主役となるRadeon RX 580搭載グラフィックスカード「RX580 IceQX2 OC 8GB」を概要からチェックしていく。HISオリジナルの高冷却クーラー「IceQ X2」を装備したカスタムモデルで、5月の発売時には、オリジナルクーラー搭載モデル最安クラスの価格が話題を呼んだ。旧環境からのリプレイスを目論むユーザーにとっては、見逃せない要素だ。
その「IceQ X2」クーラーは、100mm口径のデュアルファンやコンポジットヒートパイプ、VRAMもまとめて冷却する大型ヒートシンクを組み合わせた高冷却仕様。前世代のクーラーと比較してエアフローは31%向上、騒音も12%低下したという。歴代冷却性能と静音性に定評のあるHIS製クーラーの最新版として、申し分ない能力が期待できそうだ。また、低負荷時にはファンの回転を停止させる、スマートなセミファンレス機能「0dB IceQ X2」も搭載している。
ヒートシンクカバーにもデザインされた、ライオンをモチーフにしたパッケージ。外形寸法は約W340×D82×H242mm、背面では「IceQ X2」クーラーの構造などが解説されている |
そして動作クロックは、ベースクロック1,257MHz、ブーストクロック1,340MHz、最大パフォーマンス発揮時の“OCクロック”が1,366MHzという、プチオーバークロック仕様になっている。なお、搭載するビデオメモリはGDDR5 8GB(メモリクロック8,000MHz)ながら、市場での実勢売価は他社製のメモリ4GB版とほぼ同等。コストパフォーマンスの高さが際立つ1枚となっている。
そのほか、出力インターフェイスはDisplayPort1.4×3、HDMI2.0b×1、DualLink DVI-D×1の5系統を装備。補助電源コネクタは、リファレンス準拠の8pin×1を備えている。