エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.578
2017.06.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
この握りでなければ受付けない、というような自己主張は少なく、比較的どのスタイルにも対応できる。手の小さな人にとっては、素直に使いやすいマウスとして映るハズ |
そして実際に「Kone Pure Owl-Eye」をグリップしてみると、驚くほど手の収まりがいい。さすがにアジア人を意識してデザインされただけのことはあり、ベタ置きの“かぶせ持ち”はもちろん、親指と薬指で左右のくびれをグリップした“つまみ持ち”も悪くない。手のひらの大きな人にはやや窮屈になってしまうサイズながら、総じて手の小さな人にとっては、握りを選ばず使えるオールマイティな形状になっている。やや指が短めな筆者にとっては、決まった握りを強制しない、素直なデザインが好印象だった。
左側の凹みに、親指が実によくフィットする。反対側を薬指でグリップするか小指でホールドするかは、好みの別れるところかもしれない |
また、「PixArt 3360」ベースにカスタムされた「Owl-Eye」センサーの挙動も極めて良好だ。FPSなどのジャンルではコアゲーマーのほとんどが3,000dpi以下のdpi設定を選択しているという統計もあり、400~3,000dpiの範囲で最高の性能を発揮するという、ROCCATTのチューニングは的を射ている。追従性も良好で、センサーのブレを感じるシーンはまったくなかった。
そしてとにかく軽く、疲れ知らずで負担なく使えるのが頼もしい。マウスを振り回すように使う、ローセンシ志向のゲーマーにとっては特に注目の要素だろう。
ロゴマーク部分に「RGBトゥルーカラーイルミネーション」を搭載する「Kone Pure Owl-Eye」。統合ツールの「ROCCAT Swarm」を使用して、1,680万色のカスタマイズが可能だ | |
プリセットやカラーパレットによる色指定が可能で、発光パターンも明滅や点滅など複数用意。もちろん完全にLEDをオフにすることもできる |
かつては知る人ぞ知る欧州発のブランド、というイメージだったROCCAT。今や多数のショップの店頭に製品が並び、日本市場では後発ながら、独自の立ち位置を築いている。特にそのブランドイメージを押し上げる功労者になったのが傑作マウス「Kone Pure」だが、「Kone Pure Owl-Eye」は、まさにその後継の名に恥じない優秀なモデルだった。手のひらにしっくりと収まる絶妙なデザインは、ゲーミングデバイスにありがちな強すぎる押し出しもなく、サイズ感にさえ納得できればかなり幅広いグリップスタイルに対応できる。
アジア向けニーズを考え抜いて設計された、ROCCATの最新モデル。最軽量クラスで高性能、小さめのマウスがフィットするという人には、まさに本命モデルになってくれそうだ |
また、ハイエンド級マウス御用達の「PixArt 3360」センサーをカスタムした「Owl-Eye」の性能も印象深い。最大12,000dpiの高dpi設定をカバーしつつ、3,000dpi以下のゲーミングゾーンの最適化も図るというアプローチは、コアゲーマーにも納得がいく仕様だろう。さらに重さわずか88gと最軽量クラスの軽快さは、マウスを振り回す分にも浮かせて使う向きにも、極めて有効に作用する。長時間の操作でも疲れにくく、ゲーミングユース以外のデスクワークでも頼れる相棒になってくれるハズだ。
まさしくROCCATが用意した“アジア向けカスタム”といえる、最新ゲーミングマウス「Kone Pure Owl-Eye」。小型・軽量かつ高性能という、日本人ウケする要素が揃っている。まずは店頭にて、そのフィット感と軽快さを体感してほしい。