エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.579
2017.06.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
TDP65Wながら8コア/16スレッドに対応するRyzen 7 1700に惹かれRyzenの導入を決定しました。マザーボードはMicroATXで評判の良かったMSI「B350M MORTAR」を、CPUクーラーは冷却性能に定評があるThermaltakeのオールインワン水冷クーラー「Water 3.0 Riing RGB 360」をチョイス。「AMD Ryzen Masterユーティリティ」で、4GHzにオーバークロックしていますが特に問題なし。高負荷時の温度も50℃台に抑えられています。
ただし水冷クーラーを使用する場合、電源回路の発熱には注意が必要です。私はケースファンを増設した他、拡張スロットに取り付けるスポットクーラー利用してピンポイントに冷却しています。
気になるパフォーマンスは大満足。3Dレンダリングや動画のエンコード、Adobe Photoshop/Illustratorによる画像処理など重量級の作業も快適。正直マルチタスクがここまで得意だとは思いませんでした。また当初発生していたメモリの相性や、パフォーマンス面の問題も日々改善されています。面倒に感じる人もいるかもしれませんが、最近はマザーボード付属のツールも良くなっています。積極的にBIOSはアップデートしたほうがいいでしょう。
もともとCore i7-4770KをベースにしたPCを使用していましたが、前評判の良さから解禁と同時にRyzen 7 1800Xを購入しました。AMDのCPUを使うのは初めてでしたが、懸案だったメモリの相性は発生せず。もともと搭載していたRadeon RX 480×2によるCrossFire X構成もそのまま移行することができました。
私はよくゲームプレイの動画配信をするのですが、実際にゲームをしながら同時に動画を配信。さらに別のディスプレイで動画を再生しながらブラウジングといった、マルチタスク処理でももたつきは感じません。さらにエンコード速度もこれまでの2倍以上速くなるなど、そのパフォーマンスを実感しています。
またCPUとは直接関係ありませんが、純正のストリーミングアプリ「Radeon ReLive」の出来がいい。動画を録画している最中でも、フレームレートにほとんど影響はなく、さらにゲーム配信で必須のさかのぼり出力「Instant Replay」の使い勝手も良好。このあたりはGeForceシリーズの方が強いと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
根っからのAMD党を自認する私ですが、ストレージ周りのパフォーマンスに限界を感じ、長年愛用していたFX-8150を手放したのが3年前。その後不本意ながら使用していたCore i5-4690Kを経て、ようやく手に入れたのがRyzen 7 1800Xです。ただし、あまりの人気から発売後1ヶ月間は購入できず、手に入れたときは久しぶりに興奮しました。
その本領を発揮するのは、やはりマルチタスクで作業をしている時です。ゲームをしながらリアルタイムで動画を配信するような場合、Core i5-4690Kではもたつきを感じることがありました。しかしCPUを変えてからは、さらに別の作業を同時にしても問題ありません。また以前はすぐにCPUがフルロード状態になるため、発熱も大きかったのですが、現在では8コア/16スレッドの環境を持て余しているようで発熱も低下。クーラーはサイズ「グランド鎌クロス3」を流用していますが、騒音も小さくなりました。
ちなみにメモリはDDR4-3000MHz対応のCORSAIR「Dominator Platinum」シリーズを使用しています。初期のBIOSではメモリの相性もありましたが、現在ではアップデートにより問題が解消。安心して使うことができます。ゲームのパフォーマンスも悪くはないですし、特にリアルタイム配信にこだわるならオススメです。