エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.580
2017.07.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
CPUクーラーメンテナンスホールの様子も確認しておこう。ミドルタワーPCケースとしては小振りなボディながら、CPUソケット裏のカットアウト面積はかなり広い。マザーボードを取り付けた状態で背面からチェックすると、幅は約180mm、高さは最大部で約150mmだった。これだけ大きくカットされていれば、大判サイズのバックプレートもすべて露出する事ができるだろう。
画像はAMD Socket AM4標準のバックプレートが搭載されている状態だが、開口部の広さは十分に把握できる |
最後はケーブルマネジメントホールについて解説しておきたい。マザーボードトレイを境に、表面と裏面にケーブルが行き来できるスルーホール。そのうちマザーボード縦列に並行する2つの穴にやや注意が必要だ。
そのポジションから、SATAケーブルやフロントアクセスポートからのケーブル、そしてATXメインケーブルの利用が想定される。特に最も太いATXメインケーブルは、24pinコネクタ付近のスルーホールを使いたい。ただし奥行きが比較的狭い事から、縦列2つのスルーホールに、ATXマザーボードの基板がはみ出してしまう。穴の幅は実測で約22mmだが、検証機で実際に使える幅は約15mmになってしまった。これではATXコネクタを通す事は難しい。思わぬ落とし穴だが、予め配線後にマザーボードを固定すれば回避はできる。よくある事態だが、購入を検討中なら覚えておいて損はない。
搭載テストのマザーボードはATX規格の幅244mm。スルーホールの約3分の1まで基板が覆い被さってしまう。基板を傷つける恐れがあるので、コネクタを無理に通す等の行為は避けたい |
税抜8,000円台の市場想定売価から、エントリークラスのPCケースにカテゴライズされる「Focus G」。とは言え、そこはFractal Design。”これまでに無い独自デザイン”とは言い難いものの、細部を見れば洗練されたFractal DesignらしいPCケースに仕上げられている。
新たな試みの前面メッシュパネルは、製品コンセプトを象徴。限られた容積から、内部構造は必要最低限にまとめられ、無駄を省いた設計に共感する自作派は少なくないだろう。
ATXミドルタワーの佳作「Define」シリーズの延長線上にある「Focus G」の注目度は高い。それは多くの支持者を集める絶対的なブランド力であり、市場からの期待の表れでもある。Fractal Designは普及価格帯PCケースのシェアをも獲得しようとしている。