エルミタ的一点突破 Vol.46
2017.07.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
組み込み手順を確認したところで、ここからは8コア/16スレッドに対応するRyzen 7 1700を使い、サイズ「虎徹Mark II」の冷却機器としての実力を検証していこう。動作クロックは“定格”状態に加え、電圧をUEFIの安全圏内とされる1.4000V、クロックを3.70GHzに設定したオーバークロック状態でも行った。なおCPUの温度およびファンの回転数は「HWMonitor 1.31.0」を使い測定。アイドル時は起動直後10分間放置した際の数値、高負荷時は「OCCT 4.5.0」を動作させ30分経過した際の数値をそれぞれ採用している。なおテスト環境の詳細は以下の「テスト機材構成表」を参照頂きたい。
定格時の「CPU-Z1.79.1」の結果。高負荷時の電圧はおおむね1.040Vで推移 | 3.70GHz時の「CPU-Z1.79.1」の結果。電圧はほぼUEFIの設定通り1.392Vで動作 |
CPUの温度、ファンの回転数とも「HWMonitor 1.31」で測定した |
CPU温度(室内温度23.1℃) | |
消費電力 |
まずは定格時の温度を確認するとアイドル時は35℃、高負荷時でも56℃までしか上がらず定格なら十分な冷却性能を発揮。また約120Wも消費電力が増加する3.70GHz時でも温度は74℃で頭打ち。AMD RyzenシリーズはIntel Coreシリーズのように突発的に温度が上がることもなく、最高温度はほぼ一定。かなりアグレッシブなオーバークロックでも安心して使用できる。
冷却ファン回転数/通常回転 |
今回の検証では、回転数が最も抑えられる「Silent」設定で検証を行っているが、定格では冷却性能が飽和しているためアイドル時、高負荷時とも500rpm前半で推移。また3.70GHz時でも公称最高回転数の約65%にあたる780rpm前後で推移しており、冷却性能にはまだ余裕が残されている。