エルミタ的一点突破 Vol.46
2017.07.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
「迷ったらこれを買え」。先代「虎徹」とはそんなCPUクーラーだった。CPUに隣接するメモリスロットに干渉しない、ナロータイプ放熱フィンを採用。手頃な価格と高い冷却性能から、製品に対する悪評は、あまり聞こえてこない。まさにサイズの看板を背負う、代表作と言えるだろう。
そんな「虎徹」が遂に2代目へと進化。より汎用性を持たせるために全高を抑え、新設計のリテンションにより、取り扱い易さも向上。搭載ファンには振動を抑える防振ラバーが付き、グレードが上がった。
サイズ「虎徹 MarkⅡ」(型番:SCKTT-2000) 市場想定売価税抜3,980円(2017年6月1日) 製品情報(株式会社サイズ) |
人気モデルの2代目に掛かる期待は当然ながら、先代より自作PC事情も大きく変化。CPUの選択肢にRyzenが加わり、AMD Socket AM4の対応と、その冷却パフォーマンスも問われる事になった。
もう少し初代と2代目の違いを詳しく解説しよう。外観上ではっきりと異なるのが全高だ。初代の160mmに比べ、2代目は154mmと6mm低くなった。ミドルタワーPCのCPUクーラー有効スペースは、160mm以下が多く、”コンパクトミドルタワー”と呼ばれるモデルは150mm台までのサポートになってくる。より汎用性が向上した設計は、大いに歓迎されるだろう。
「虎徹」と「虎徹 MarkⅡ」で最も異なるのが全高。2代目は高さを6mm低くする事で、搭載できるPCケースの選択肢が増えた |
さらにメモリスロットに干渉しない「ナロータイプフィン構造」に加え、放熱フィンを若干後方にずらす「オフセット設計」を採用。ベースプレートの位置も中心からオフセットし、グラフィックスカードとの物理的干渉も軽減されている。気が付きにくい点だが、先代から大きく設計が変化した「虎徹 MarkⅡ」は、まったくの別モノと考えた方が良さそうだ。
パッケージサイズはW140×D115×H255mm、重量1,000g。先日検証したばかりのNoctua「NH-D15 SE-AM4」が超巨大パッケージだけに、かなりコンパクトに感じる |
先代「虎徹」の事は一旦忘れ、スペック表から「虎徹 MarkⅡ」を把握しておこう。外形寸法は冷却ファンを含み幅130mm、奥行き83mm、高さ154mm。重量は645gとされる。
ニッケルメッキ処理が施されたφ6mmヒートパイプは4本。サイズオリジナルモデルの設計思想から、ダイレクトタッチ式は採用されていない。また搭載ファンは120mm口径。これについては後ほど詳細を解説しよう。
対応ソケットはIntel LGA775/1150/1151/1155/1156/1366/2011/2011(V3)。AMD Socket AM2+/AM3+/FM1/FM2/AM4。製品保証は1年間だ。