エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.585
2017.07.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ATTO Disk Benchmark 3.05 |
最高値は読込・書込とも1,039MB/secで、RAID 0の実力を遺憾なく発揮。チップセットで処理を行う分、シングルSSDに比べると若干スコアにブレはあるものの目くじらを立てる程ではない。大容量かつ高速なストレージ環境をできるだけ安価に構築したいなら「S3」シリーズによるRAID 0環境はとても有望な選択肢となる。
より高速なNVMe SSDが登場したことで、SATA3.0(6Gbps)SSDはパフォーマンス的にみて、エントリークラスという位置づけになりつつある。それもあって、近頃では価格を重視した製品が増え、以前よりもパフォーマンス面では振るわないという製品も多い。そこに敢えて高性能を前面に押し出して登場したのが「S3」シリーズだ。
Silicon Motion製コントローラとTLC NANDという定番の組み合わせながら、独自チューニングによりインターフェイスの限界に迫る転送速度を実現。MLC NANDを採用する往年のハイエンドに匹敵するパフォーマンスは非常に魅力的だ。
またTLC NAND用キャッシュ技術「PlexNitro」を搭載し、オーバープロビジョニング領域による無駄がないのも他社にはないメリット。2GBを超えるデータ書込はやや苦手だが、一般的な運用でそれほど巨大なデータを扱うことはまれだけに、さほど気にならない。それ以外のベンチマークでは、RAID環境も含めほとんどスコアにブレはなく、多くのシーンで安定したパフォーマンスが期待できる。エントリークラスでも性能、安定性とも妥協したくない、そんな欲張りなニーズに応えるPLEXTORらしい製品に仕上げられている。